さらばラ・リーガの偉大なクラックたち ワンクラブマンの時代にも終わりのとき
神戸に加入したイニエスタ、バルサと別れ
カンプ・ノウではイニエスタの盛大な退団セレモニーが行われた 【Getty Images】
中でも世界中のフットボールファンにとって最大の出来事は、アンドレス・イニエスタとバルセロナの別れだ。12歳で入団して22年間クラブに所属し、トップチームで過ごした16年間で32個ものタイトルを獲得してきた34歳のベテランは、その模範的な振る舞い(退場処分を受けたことは一度もない)と万人に愛される人柄に加え、優雅で繊細なプレースタイルと卓越したテクニックによって、唯一無二の選手となった。
自らの意思でバルセロナを去る決断を下したイニエスタは、ヴィッセル神戸でプレーすることになった。彼の代役探しは、バルセロナにとって困難な挑戦となるだろう。ミリ単位の精度が求められるわずかなスペースでもボールを失わず、時間をコントロールしながらプレーを創造できる彼のような選手は、世界中を探し回っても簡単には見つからない。
イニエスタ・ロールを引き継ぐのは?
チームメートたちによる胴上げで送り出されるイニエスタ 【写真:ロイター/アフロ】
2015年にカタールへと移籍したシャビ・エルナンデスに続き、イニエスタも失うことになる今後、世界中を魅了したバルセロナのポゼッションスタイルを継承できる中盤の選手はセルヒオ・ブスケッツ以外にいなくなった。
攻撃陣の破壊力や守備の安定に直結する問題ではないかもしれないが、これまでのようにクリエーティブなプレーを構築することは難しくなるだろう。来季から新キャプテンに就任するリオネル・メッシが中盤にポジションを移し、彼らの役割を引き継ぐことは可能だろうが、それはゴール前で彼の得点力を生かす機会が減少することを意味する。