【第108回日本選手権室内】前日練習レポート

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【JAAF】

東京2025世界陸上(東京世界選手権)イヤー最初のトラック&フィールドの国内大会となる第108回日本陸上競技選手権大会・室内競技(以下、日本選手権室内)が2月1~2日、2025日本室内陸上競技大阪大会(以下、日本室内大阪大会)との併催で、大阪市において行われます。大会を翌日に控えた1月31日午後、会場の大阪城ホールが開放され、出場選手たちが前日練習に取り組みました。

1月31日に大阪城ホールで行われた前日練習は、日本選手権室内および日本室内大阪大会で実施される種目や区分に応じて、使用するエリアや時間に制限を設けて行われました。選手たちは、指定の時間に合わせて会場へ。会場中央の直走路でスタートダッシュやハードルの練習を行う者、砂場のピットで踏み切りの足合わせを行う者、棒高跳ピットでゴムバーを使った跳躍練習に取り組む者と、それぞれに調整を行いました。

【JAAF】

日本選手権室内にエントリーしている選手では、男子60mに出場する宇野勝翔選手(オリコ)が調整練習に取り組んでいました。宇野選手は、社会人1年目の昨年、100m自己記録を10秒21から10秒09まで更新。もともと得意としていた200mも、2023年に続き20秒49の自己タイ記録をマークしています。「2025年シーズンは、100mで戦いたいという思いがある」という宇野選手は、それを踏まえて、「60mという種目で、自分がちょっと苦手とする前半の加速局面で勝負すること」を今大会の目的に掲げています。イメージしているタイムは、6秒60あたり、あわよくばそこを切っていきたい」とのこと。「6秒5台が出れば、100mで戦える実感を得ることができるはず。自分が目標としている(東京)世界陸上の代表と、9秒台というところも視野に入ってくる。ここまでの冬期練習が順調に来ているので、それをここで確かめられたと思う」と意欲を見せました。

【JAAF】

また、60mに出場するデーデーブルーノ選手(セイコー)の姿も。ご存じの通り、2021年東京オリンピックで男子4×100mリレー代表に選出された選手です。その後、やや足踏みする状態が続いていましたが、昨年、パーソナルベストを10秒18へと更新し、浮上のきっかけをつかんでいます。「今年は、ここまで順調にトレーニングを積むことができている」というデーデー選手も、100m・200mともにレース終盤での強さが光るタイプ。「どちらかというと苦手な60mという短い距離のなかで、どれだけ走れるかを確認したい」と話しました。

【JAAF】

トラック種目の選手に交じって身体を動かしていたのは、男子走高跳の中谷魁聖選手(東福岡高校、ダイヤモンドアスリート)。昨年、地元開催の福岡インターハイを2m24の高校新記録で優勝すると、その後、U20世界選手権で銅メダルを獲得。秋の国民スポーツ大会では高校記録を2m25へと更新するなど躍進の1年を過ごしました。今大会はU20でなく、日本選手権にエントリー。シニア選手の胸を借りての勝負となります。

走高跳は日曜日に行われるため、「今日は、疲労抜きという感じで軽く身体を動かす程度」と中谷選手。普段と同様に、大会前々日をアクティブレストとし、大会前日に少し刺激を入れて、試合に向かう予定です。試合を前にしての心境を尋ねると、「冬の時期ということもあり、跳躍自体があまりできていないので、実際にどうかはわからない部分も多いのだが、“まあ、大丈夫かな”という気持ちでいる」と頼もしいコメントが返ってきました。「明後日は、シニアの中での試合なので、緊張せずに楽しみたい。目標としては3番以内に入ること。2m20を上回る跳躍ができたらいいなと思う」と話してくれました。

【JAAF】

女子では、前回60mチャンピオンの鶴田玲美選手(南九州ファミリーマート)も来場。レース2日前の日はレストということで練習はなし。「散歩するつもりで、ここ(会場)まで来た」とのことでしたが、快く取材に応じてくれました。

前回大会では、予選から7秒41の自己新をマーク。全体トップタイムで臨んだ決勝では、室内日本歴代4位タイの7秒38まで記録を更新しての快勝でした。今大会は、連覇の懸かるレースとなりますが、「まあ、(60mは)得意ではないので(笑)、気負わず行こうかなと思っている」と、鶴田選手は飄々とした様子。「ここから始まる2025年シーズンに向けて、良いステップになれば…。自己ベストあたりを目指せたらいいなと思っている」と笑顔で話してくれました。

大会初日の2月1日の競技開始は、午前9時30分。午前中は日本室内大阪大会の種目が続きます。日本選手権種目は午後から男女60mハードルと、女子棒高跳、三段跳の4種目が行われ、12時15分から始まる女子60mハードル予選が最初の種目となります。

会場の大阪城ホールは、両日ともに入場無料で観戦が可能!気温22℃、風雨の心配のない快適な観客席で、室内陸上ならではの迫力あるパフォーマンスを、ぜひお楽しみください。もちろん、ライブ配信も予定しており、今年もメインチャンネルとフィールドチャンネルの2チャンネル態勢で、競技の模様をつぶさにお届けします。

タイムテーブルや出場選手、スタートリスト、ライブ配信スケジュールなど、大会に関連する情報は、日本陸連公式サイト( https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1833/ )および日本陸連公式SNSをご参照ください。

文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)

ライブ配信1日目:2月1日(土)

メインチャンネル 9:30~(予定)YouTube
トラック競技全種目・表彰

フィールドチャンネル 9:30~(予定)YouTube
フィールド競技全種目

ライブ配信2日目:2月2日(日)

メインチャンネル 9:40~(予定)YouTube
トラック競技・表彰、U20女子走幅跳、日本選手権女子走幅跳、日本選手権女子走高跳、U20男子棒高跳
フィールドチャンネル 9:40~(予定)YouTube
U20男子棒高跳、U20男子走幅跳、日本選手権男子走幅跳、日本選手権男子棒高跳、日本選手権男子走高跳、U20男子三段跳、日本選手権男子三段跳
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