ヘント久保は代表追加招集を信じて待つ 最終戦のゴールで「アピールはできた」
ベルギーでのシーズン最終戦で決勝ゴール
久保はヘントをEL出場権獲得へと導く決勝ゴールをマーク 【写真は共同】
今季最終戦となった20日のクラブ・ブルージュ戦では、この試合唯一のゴールを決めてチームを1−0の勝利に導いた。28分だった。自陣で得たFKをMFアンダーソン・エシティが短く蹴り渡し、センターバックのサミュエル・ジゴが縦へロングフィードすると、その先には相手DFの背後へ走り抜けた久保がいた。久保が巧みにこのボールをトラップし、右45度の位置からスライディングシュートを試みると、ボールは相手ゴールの左隅に吸い込まれていった。
「DFラインと駆け引きして、うまいこと抜けてきたので、それが。ファーストタッチも良かったし、落ち着いて決めることができました」
スイスのヤングボーイズから昨年1月、ヘントに入団。昨季はわずか半年で11ゴールを量産し、ベルギーでセンセーションを起こした久保だったが、日本代表の活動もあってオフが短く、新シーズンに疲労と負傷を持ち越した。10月に就任したイベス・ファンデルハーゲ監督の戦術と久保の能力が一致しない時期もあり、シーズン大詰めのプレーオフ1の序盤戦では、レギュラーポジションを失った。それでも常に気持ちをポジティブに保って出場機会を待ち、最後の最後で「偽の9番」という新たなポジションを得て活躍した。
「自分は第1候補ではないのかな?」
久保はヘントでの2シーズン目も11ゴールを記録する活躍 【Getty Images】
「アンデルレヒトが(4位を争うヘンクに)負けているのは聞いていたので、とにかく勝たないといけないというのは分かっていました。みんなバケーションに入りたかったでしょうし、僕は日本代表にまだ可能性を残したかった。そういういろんな意味で嬉しかったです」
そう、久保は日本時間18日に発表されたガーナ戦(30日、日産スタジアム)の日本代表メンバー27人に入っておらず、このクラブ・ブルージュ戦を最後のアピールの場にしようと燃えていたのだ。
「朝起きた瞬間にツイッターで見て、その後、(日本サッカー協会から)連絡がきました。『ともかくプレーオフ(※)に残る可能性がある。それがすごく気掛かりだ。とりあえず様子を見て追加招集を決めたい』と言われました。『自分は第1候補ではないのかな?』と思いました」
(※)ベルギーのプレーオフ1で5位になったチームは、プレーオフ2の優勝チームと5月27日にEL予選2回戦進出を懸けた決定戦を行うことになっている。プレーオフ1の最終日まで、ヘントには5位になる可能性が残っていた。