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近江高校がスマホアプリでチームを強化!?
自主性を重んじる元Jリーガー監督の試み

アプリを活用する効果とは?

(左から)分析係の石本、田中、佐々木と槙島コーチに話を聞いた
(左から)分析係の石本、田中、佐々木と槙島コーチに話を聞いた【スポーツナビ】

 スマホアプリを活用すると、どんな効果があるのだろうか。分析係の3人に話を聞いた。GKの田中壱京は、自分の「BAD」のタグが付いたプレーを繰り返し見ることで、自分のダメな点を理解し、改善に役立てている。時には同じポジションを争うライバルのプレーを見て盗むこともあるそうだ。


 中盤でプレーする石本臣成は以前、他の選手からミスを指摘されたが、自分ではミスだとは思わずモヤモヤしたことがあったという。しかし、あらためて映像を確認し、自身のミスだと納得できたというエピソードを教えてくれた。やはり言葉だけのフィードバックと比べると、映像を見た方が分かりやすく、納得感があるということは大きなメリットだ。


 佐々木星貴は分析を始めた当時、チームメートに「BAD」のタグを付けると、その選手に対して直接的に「悪い」と指摘することになるため戸惑いがあった。しかし、それではチームが良い方向に向かわないと気持ちを入れ変え、現在は悪いプレーもしっかりと指摘している。映像という根拠があることで、そうした指摘が伝えやすくなっている面もあるのではないか。実際に佐々木はサンプルの映像を見せながら、タグ付けの根拠をスラスラと説明してくれた。サッカーに対する理解が深まっていること、そして言いにくいことも言い合えるようなコミュニケーション・関係性ができていることを感じさせた。

ここからの1年は基盤を固める時期

槙島コーチ(右)は、来年度を近江高校として「基盤を固める時期」と位置付ける
槙島コーチ(右)は、来年度を近江高校として「基盤を固める時期」と位置付ける【スポーツナビ】

 分析係は今年の目標を「サッカー部全員がサッカーと向き合うことができる環境を作る」に決めた。アプリを活用し、部員たちに練習以外の時間にもサッカーのことを考えてほしいという思いが込められている。佐々木は映像を使ったコミュニケーションをさらに活発にするために、来年度は分析係主導で選手だけでミーティングをやってみたいと抱負を語った。コーチがいると選手たちが受け身になるため、選手だけで素直に話せるようにしたいという狙いだ。まだまだ新しい取り組みだけに、伸びしろは十分だ。


 チームとしても、来年度が強化を進めてからまだ3年目。初めて1〜3年生がすべてそろう年であり、槙島コーチは「ここからの1年は近江高校サッカー部にとって基盤を固める時期になる。自分たちが外からのプレッシャーをどれだけパワーに変えることができるか」と気を引き締める。


 県内ではもはや追われる立場となり、これからは相手に研究された中でも勝ち切る力が求められる。独自の強化を進める近江高校は、新シーズンにどんなサッカーを見せてくれるだろうか。


(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)

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