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高川学園が無人島合宿で紡ぐチームの絆
サッカーだけではない、江本監督の教え

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江本監督が行う伝統の行事

山口県代表として選手権に出場する高川学園は、毎年無人島で合宿を行う
山口県代表として選手権に出場する高川学園は、毎年無人島で合宿を行う【安藤隆人】

 高川学園(山口)には、3年生になると行う伝統の行事がある。それは3年生全員で行く、1泊2日の無人島合宿だ。


 瀬戸内海に浮かぶ無人島に、高川学園と昔から縁の深い人物が所有する2階建てのログハウスのような建物がある。そこに漁船で移動し、無人島に着いたらサッカーを……しない。2日間はただ大自然に触れ合いながら、全員でご飯を作ったり、バーベキューをしたり、海に入って魚を捕ったり、泳いだり……。ボールもスパイクも、サッカー用具は何も持っていかずに、釣り竿や花火などを持っていく。思い思いの時間を過ごす、貴重な合宿だ。


 この無人島合宿を始めたのが、江本孝監督だ。今年で監督就任4年目だが、その前は高川学園中学のサッカー部の監督を、立ち上げから5年間務めていた。中学の監督に就任した初年度に最上級生を対象にしたこの合宿を始め、高校の監督に就任してからは高校の最上級生を対象に始めた。


「きっかけは僕が小学校の時、周東FCの恩師の方が、『サッカーが強くなるためには、それ以外のことを全力で取り組まないとダメだ』と言って、無人島合宿をやったんです。その合宿が僕の中で幼心ながら、すごく楽しい経験でした。


 普段は厳しい練習をする中で、一度サッカーから離れて表情が緩んだり、大人たちから何も言われないで、子供たち自身ですべてやるという経験は、すごく重要だと思ったんです。あの小学校時代の経験が今の僕にも生きているので、自分が指導者になったらやろうと思っていました」

リラックスした自由な時間で得られるもの

筆者(右)も合宿に帯同。選手たちはサッカー用具を何も持っていかない
筆者(右)も合宿に帯同。選手たちはサッカー用具を何も持っていかない【安藤隆人】

 実は筆者も昨年、この無人島合宿に帯同させてもらった。早朝に学校に集合し、そこからマイクロバスで1時間ほど離れた漁港へ。釣具店に寄って、みんなの釣り竿やえさなどの道具を一通りそろえた。

安藤隆人
安藤隆人

大学卒業後、5年半勤めた銀行を退職して単身上京し、フリーサッカージャーナリストに転身した異色の経歴を持つ。ユース年代に情熱を注ぎ、日本全国、世界各国を旅し、ユース年代の発展に注力する。2012年1月にこれまでのサッカージャーナリスト人生の一つの集大成と言える、『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)を出版。筆者自身のサッカー人生からスタートし、銀行員時代に夢と現実のはざまに苦しみながらも、そこで出会った高校1年生の本田圭佑、岡崎慎司、香川真司ら才能たちの取材、会話を通じて夢を現実に変えていく過程を書き上げた。13年12月には実話を集めた『高校サッカー 心揺さぶる11の物語』(カンゼン)を発刊。ほかにも『高校サッカー聖地物語 僕らが熱くなれる場所』(講談社)、があり、雑誌では『Number』、サッカー専門誌などに寄稿。昨年まで1年間、週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!SHOOT JUMP!』を連載した。

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