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東京2020 THE WAY to 2020

ビーチバレー二見梓が進む真っすぐな道
神奈川の海から目指す、東京五輪の表彰台

 2020年東京五輪そして世界に向けて、それぞれの地元から羽ばたくアスリートたちを紹介する連載企画「未来に輝け! ニッポンのアスリートたち」。第6回は神奈川県出身、ビーチバレーボールの二見梓(東レエンジニアリング)を紹介する。

「ビーチバレーが面白くて、今は充実感しかない」

インドアからビーチバレーに転向した二見梓(右)。「ビーチバレーは自分に合っていて、面白い」
インドアからビーチバレーに転向した二見梓(右)。「ビーチバレーは自分に合っていて、面白い」【Getty Images】

 日焼けした肌に、少し茶色くなった髪。本格的にビーチバレー選手として過ごした1シーズンを振り返りながら、二見梓は黒目の大きな瞳を輝かせた。


「ビーチバレーって、本当に面白いんですよ。私もちょっと時間があれば、他の人の試合をユーチューブで見たりするぐらいで。ビーチバレーのいい意味の自由さが自分に合っていて、すごく楽しい。今は、充実感しかないです」

 中途半端にはできない。何事も真っすぐ、がむしゃらに突き進むのみ。今はただ、東京五輪の表彰台に立つ自分だけをイメージして、ひたすら前に歩き続けている。

「メグカナ」に憧れて、中学1年からバレーを始める

 ヨットハーバーと御用邸。

 葉山、と地名を聞けば同じ神奈川県民でも、描くイメージはセレブで優雅。それ以外は見当たらない、と言っても過言ではないのだが、その場所で生まれ育った当の本人は、顔の前で手をブンブンと振りながら、大きく口を開けて豪快に笑う。


「全然違いますよ。無人の野菜販売所とかあるし、むしろ海と山と川のある田舎町なんです。確かにセレブな人たちも中にはいますけど、全員が全員じゃない。ただ、習い事で『バレーをやっています』という人よりは、圧倒的に『バレエをやっています』という人のほうが多かったですね」


 バレーボールを始めたのは中学に入る頃。03年のワールドカップで栗原恵と大山加奈、「メグカナ」が一世風靡(ふうび)する姿をテレビで見て「私もやってみたい」と憧れた。低学年の頃からサッカーをやっていたこともあり、運動能力は高く、身長もある。入る前は3人しかいなかった中学のバレーボール部を、初心者ばかりの同級生たちとともに押し上げ、地区ブロックを制して県大会にも出場。3年時にはJOC杯(全国大会)の神奈川県選抜や、全日本中学生選抜にも選ばれた。

地元・神奈川の強豪で日本一を目指した高校時代

電車を乗り継いで練習に通った高校時代は「なかなか大変でしたね」と振り返る
電車を乗り継いで練習に通った高校時代は「なかなか大変でしたね」と振り返る【スポーツナビ】

 県内外を含めた複数の高校から誘いを受ける中、二見が選んだのは神奈川の強豪、大和南高校。中学で共に県選抜として戦った仲間の多くが大和南に進むこともあり、高校入学と同時に、全国制覇を目標に描くようになった。

 充実した練習環境で、春高、インターハイなど全国大会出場経験も重ねたが、難点が一つ。何しろ、家から遠かった。


「最寄り駅から3路線を乗り継いで、Door to Doorで片道2時間かかりました。毎朝5時に家を出て、帰ってくるのは22時過ぎ。あらためて振り返ると、なかなか大変でしたね」


 美少女選手として過剰に取り上げられたのも同じ頃。調子の良し悪しに関わらず、常にテレビカメラが密着し、チームの中心選手として取り上げられる。応援してくれる人ばかりでなく、陰口をたたかれることもあったし、時には常軌を逸したファンに待ち伏せされ、往復4時間の道のりを恐る恐る帰ったこともあった。

田中夕子
神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など、女子アスリートの著書や、前橋育英高校野球部・荒井直樹監督の『当たり前の積み重ねが本物になる』では構成を担当
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