ラ・リーガは「世界最高」なのか? 再考すべきテクノロジーの導入と経営状況
首位決戦で起きたミスジャッジ
明らかにゴールラインを割っていた得点が認められず、首位決戦は1−1の引き分けに終わった 【写真:ロイター/アフロ】
リオネル・メッシの放ったシュートがGKノルベルト・ネトの正面を突く。GKにとって難しいシュートのようには見えなかった。だがボールはネトの手からすべり落ち、股下を経由して彼の背後へとすり抜ける。彼が慌ててかき出した際、すでにボールはゴールラインを割っていた。だが主審のイグレシアス・ビジャヌエバも線審のホセ・ラモス・フェレイロも、バルセロナの先制点となるべきゴールを認識することができなかった。
明らかにゴールラインを割っていたその得点が認められず、現地時間11月26日に行われたラ・リーガ第13節の首位決戦は1−1の引き分けに終わった。その結果、この重大なミスジャッジはいまだにラ・リーガがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)やゴールラインテクノロジーを導入していないことに対して、あらためて議論を巻き起こすことになった。
自らを「世界最高リーグ」と称しているが……
ブンデスリーガやセリエAなど、多くの欧州主要リーグでVARは導入されている 【写真:アフロスポーツ】
その傍らで、なぜかテクノロジーの導入については真剣に検討せず、先の試合で生じたような重要なジャッジについては前世紀からのやり方を維持し続けてきた。ラ・リーガは過去4シーズンのヨーロッパ王者と過去3シーズンの世界王者を擁し、自らを「世界最高リーグ」と称しているにもかかわらずだ。
そんな組織がなぜ、レフェリーについては“人力”に頼り続けるのか。すでに他のあらゆる競技がさまざまな形で取り入れているテクノロジーのサポートは、今やFIFA(国際サッカー連盟)ですら推奨しているだけに、これは理解し難いことである。
VARについてはまだイタリアやドイツで試されはじめている段階ながら、ボールがゴールラインを割ったかどうかを確認するシステムは何年も前から確立されている。そのために必要なシステムはVARほど高額ではないし、導入にあたって障害があるわけでもない。
ましてやラ・リーガのハビエル・テバス会長が頻繁に訪れ、オーガナイズについてアドバイスしているアルゼンチンさえもが、2017−18シーズンから「スーペルリーガ」と改称した国内リーグにテクノロジーを導入しているのだ(編注:テバス会長は18−19シーズンからラ・リーガでVARを導入する意向を示している)。