メッシとロナウドに移籍の可能性はあるか 無視できない金銭問題とクラブとの関係
両クラブとも退団を望んではいないが……
ほんの数カ月前には馬鹿げたことだと言われていたメッシ、C・ロナウドの移籍が確かな可能性として受け止められるようになっている 【写真:ロイター/アフロ】
もちろんレアル・マドリーもバルセロナも彼らの退団を望んではいない。だが過去10年にわたって世界最高の称号を二分してきた2人の“怪物”にとって、来年6月に行われるワールドカップ(W杯)を境にキャリアのターニングポイントを迎えることを予感させる要素がいくつかある。
2人がそろってスペイン政府から脱税容疑をかけられていることも無関係ではない。当初メッシは父親に任せていた金銭の管理状況を把握していなかったと主張していたが、最終的には自身の過失を認め、追加徴税を受け入れることで問題解決に至った。だがC・ロナウドは専門家の助言とは裏腹に、一切の非を認めず徹底抗戦の姿勢を貫いている。
金銭絡みの問題は両者の移籍を占う上で最も重要な要素の1つだ。脱税問題に加え、メッシはカタルーニャの独立問題にも巻き込まれる恐れがある。カタルーニャ州議会がスペインからの独立を強行する中で、すでに2500以上の企業や大手銀行がカタルーニャ外に本社を移した。
今後カタルーニャでは10年以上のスパンで深刻な経済危機が生じることが予想されており、バルセロナも確実にその影響を受けることになる。そうなれば、現時点ではフィリペ・コウチーニョらの獲得に動く余裕があっても、いずれは現在の戦力を維持することができなくなるだろう。
メッシはキャリアの終わりを母国で迎えたい?
メッシはいまだにバルセロナとの契約延長に正式なサインをしていない 【写真:ロイター/アフロ】
メッシがバルセロナと深くつながっていることは間違いない。だがすでに契約更新は合意済みとクラブは伝え、ラ・リーガのハビエル・テバス会長もサイン済みだと公言しているにもかかわらず、いまだに正式サインが先延ばしにされている裏には何らかの理由があるはずだ。そう考えると、カタルーニャの不安定な政情と、先行きの見えない経済問題が重要な要因となっているように思えてならない。
また先日行われたインタビューを聞いた限りでは、今もメッシはプロとしてプレーしたことがないアルゼンチンの地元クラブ、ニューウェルス・オールドボーイズでキャリアを終えたいという考えを持っているようだ。本人は実現するかどうかについては明言していないものの、いつかその日が訪れる可能性はある。若くして大西洋を渡り、母国から遠く離れた国でベテランの域に達するまでプレーし続けてきたメッシの願望については、バルセロナのファンも理解を示している。
いずれにせよ、メッシについては1月までに新契約を結ぶはずだと信じている人が大多数を占めている。