サントリー真壁がフランスラグビー挑戦!? 「エディーさんに相談したんですよ」

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戦いの先頭で身体を張り続ける

世界の強豪と戦うことを「面白い」と語る真壁 【写真提供:WOWOW】

 トップリーグで昨季の全勝優勝に続き、今季も白星を重ね続けるサントリーサンゴリアス、そして日本代表、サンウルブズでもチームの先頭に立って激しいプレー、ハードワークを続けるのが真壁伸弥選手だ。学生時代には日本協会の育成プログラムでニュージーランド留学を経験し、サントリー入り後はトップリーグ新人賞に輝き、日本代表やサンウルブズで世界各地を転戦してきた。頑健に身体を張るフィジカルなプレーを通じて、真壁選手が感じた世界のラグビーとは。

――世界各地でラグビーをしてきた真壁選手ですが、世界と戦う、ラグビーをすることの魅力を聞かせてください。

 その国で、ラグビーの何に重きを置いているかが分かりますね。ニュージーランドであればランニングスキルを出そうとするし、フランスであればスクラム、フィジカル。その国のラグビーカルチャーが何に重きを置いているかが分かって面白いですね。僕らの側も、そういうチームと戦うにあたって、『このチームはフィジカルが強いから、こういう部分にフォーカスして準備しよう』となるし、それをしないと自分が試合に出られない。それが面白いですね。

「フランスでラグビーやりたいな」と思いましたよ

2015年W杯で南アフリカ代表を破った後、サントリーで同僚だったスカルク・バーガーと健闘を称え合う 【写真:ロイター/アフロ】

――その中で、真壁選手はフランスのチームとの対戦はどのくらいありますか。

 僕は、2012年に日本代表でフレンチ・バーバリアンズ、バスク選抜と対戦したことがあります。フレンチ・バーバリアンズが来日したときと、日本代表がヨーロッパに遠征したときですね。
 試合前は『フランスのチームはセットプレー、特にスクラムにこだわってくる』と言われていたのですが、実際に試合をしてみたら、むしろフィールドプレーでフォワードがガツガツとフィジカルなプレーをしてきた印象が強いです。イメージでいうと、東芝みたいなラグビーでしたね。特にバスク選抜は。

――具体的にはどんなプレーをしてきたのでしょう。

 とにかくフィジカルにこだわっているから、接点で一人でも来る。ニュージーランドだったらパスしてボールをつないでくるというような場面でも、フランスの選手は当たってくる。ボールをつなぐことよりも相手にダメージを与えてやろうとしているんですね。

――そんな相手と戦ってみた感想は?

 楽しかったですよ。これは僕の性格にも合ってるなと思いました(笑)。『フランスでラグビーやりたいな』と思いましたよ。
 フランスの選手は、当たった後もしつこいんです。相手に次のプレーをさせないように、いやらしいプレーをいっぱいしてきた。つかんで離さなかったり。しつこく絡んだり。それまで僕はそういうプレーをしないタイプだったので、すごく勉強になったし、それからはトップリーグでもそういうプレーをするようになりました。対戦相手には嫌われますけど、それはフォワードとして大事なプレーですからね。

――フランスリーグTOP14でラグビーをしたいという思いは湧いてきましたか。

 はい。ものすごく湧きました(笑)。実際、エディーさんにも『フランスでプレーしたいです』と相談したんですよ。叶いませんでしたが。

――これからでもチャンスがあればチャレンジしたいですか?

 はい、チャンスがあるならぜひ。フランスのラグビーだったら、年齢を重ねても十分にやれると思いますからね。

「ハードワークしないと勝てない」

印象的な会場として挙げたのは、W杯のスコットランド戦でプレーしたグロスターのキングスホルムスタジアム 【写真:アフロ】

――サントリーにはジョージ・スミス選手やマット・ギタウ選手など、フランスリーグTOP14を経験した選手もいますが、彼らからフランスの情報を聞いたりしていますか?

 いや、聞くのは主にスーパーラグビーの話でしたね。僕自身、サンウルブズでプレーしているし、毎週試合があってその準備に追われていますから。

――真壁選手にとってスーパーラグビーはどんな経験でしたか。

 スーパーラグビーは、テストマッチと同じくらい激しいレベルの試合を毎週毎週やらないといけない。そのための準備の大切さを学びました。テストマッチなら何カ月か前から、長いスパンでそれに向けた準備ができるけれど、スーパーラグビーでは短い。毎週試合があって、その間に長い移動がある。準備に使える時間が少ないんです。
 だから、チームとしてしっかりしたベースを持たないとチームが成り立たないことが分かりました。チームとしてどう戦っていくか、自分がその役割にどうコミットしていくか、そこをしっかり確立していくことが大切ですね。

――世界中いろいろなところでプレーしてきた真壁選手にとって、最も印象的な試合会場はどこですか。

 バスクとの試合ですね。フランスのビアリッツですか。試合自体も印象深いんです。チームは負けたけど、僕自身は良いプレーができてスクラムコーチだったマルク・ダルマゾにすごく誉められました。
 スタジアムも良かったですね。グラウンドが泥だらけで。それも深いんです。そういう中で戦うのって、フォワードっぽいでしょ。スタンドもこじんまりしていて、ビールを売ってるスタンドもあって、観客はビールを飲みながら観戦している。雰囲気がラグビーっぽい。すごく好きです。
 ワールドカップでスコットランドと戦ったグロスターにも似た感じというか。観客の声もいっぱい聞こえて、プレーしていて楽しかったですね。

――今シーズン、トップリーグではどんなプレーを見せたいと思っていますか。

 チームとして、キックも使ってエリアを取って、スペースを作ってボールを動かしていくラグビーを目指していますからね。その中で、自分としては、前に出ることで味方の攻撃スペースを作ること、特に試合の最初の10分、ゲームの入りの部分でモメンタム(勢い)をチームにもたらすような選手でありたいと思っています。

――ファンに、自分のどんなプレーを見てほしいですか。

 やっぱり、元気なところですね。チームに元気を与えるプレーヤーでいたいと思っていますから。特に挙げるなら、スクラムのとき、叫んでるところですね(笑)。「アイツ大丈夫か?」と思われるくらい、過剰に元気にやっていきたいですから。

――これから、日本ラグビーの未来にどうコミットしていきたいですか。

 自分の場合、年齢的にも2019年のワールドカップが最終的なターゲットになるだろうなと思っているし、今までの経験を代表に落とし込んでいきたい。日本代表とサントリーは目指すラグビー像が似ている部分が多いと思うので、サントリーで良いプレーをすればジェイミー・ジョセフHCが日本代表に呼んでくれると思っています。
 どちらにしても、ハードワークしないと勝てないことはこれまでの経験で分かっていますから、それをしっかり出して、ラグビー界にその文化を根づかせていきたいですね。

真壁伸弥(まかべ・しんや)

1987年3月26日、宮城県仙台市生まれ、30歳。ポジションはLO(ロック)。
仙台工高1年でラグビーを始め、中大に進学。
中大在学時に、日本ラグビー協会の若手育成プログラム「ATQ」(世界8強進出プログラム)でニュージーランド留学を経験。
2009年、トップリーグのサントリーに入団。全試合に出場し、トップリーグ新人賞を獲得。同年11月のカナダ代表戦(秩父宮)で日本代表デビュー。2015年ワールドカップでは歴史的勝利をあげた南アフリカ戦など3試合に出場した。日本代表キャップ34。スーパーラグビーのサンウルブズでは2016年、2017年ともプレーした。

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