【ボクシング】“ギャンブルの街”で勝者となった2人 メイウェザーは宣言通りのKO勝利で幕
“ディフェンスマスター”メイウェザー(左)が、最後は追いかけ回して、予告どおりのTKO勝利を飾った 【Getty Images】
現地時間8月26日、米国ラスベガスのT−モバイル・アリーナで行われたプロボクシングのノンタイトル12回戦で、無敗の元5階級制覇王者メイウェザーは、総合格闘技(MMA)の人気者コナー・マクレガー(アイルランド)に10回ストップ勝ち。奇想天外な異色のビッグファイトは、終わってみればおおかたの予想通りの結果に終わった。
しかし、そこに至るまで、マクレガーの頑張りも目立った。
中盤以降にスタミナを削っていき勝利を確実なものに
メイウェザーはマクレガーの戦いを称賛。しかし最後はスタミナ切れのマクレガーを追い詰めた 【Getty Images】
試合後、メイウェザーがそう述べた通り、マクレガーの変則ボクシングの前に序盤は手こずった。明らかに一回り大柄な29歳は、サウスポースタンスからストレートともフックとも判別が難しいパンチを繰り出してくる。40歳になった無敗のスーパースターでもやりにくそうで、筆者を含め、最初の3ラウンドをすべてマクレガーに与えたメディアは多かった。
「少し時間をかけて、彼に打たせて、後半に仕留めるというゲームプランだった。MMAは25分(5分5ラウンド)のファイト。25分が過ぎて、マクレガーはスローダウンを始めた。判定にはならないというのは事前に保証した通りだ」
その言葉通り、この日はお世辞にもシャープと言えなかったメイウェザーだが、4回以降はボディブローを多用し、マクレガーのスタミナを削っていった。
ベテランが相手の変則スタイルにも慣れていくと、マクレガーは武器のなさとスタミナ不足を露呈。中盤ラウンドはメイウェザーのいきなりの右が面白いように顔面を捉え、アイリッシュの英雄は9回にはダメージと疲労でフラフラになった。
10回に至っては、メイウェザーが繰り出した26発のパワーパンチのうち、実に20発がヒット。ここでついにレフェリーがストップをかけ、戦前から珍しくKO宣言していたメイウェザーの言葉は現実のものとなったのだった。