“記録”だけじゃないプロレスの世界 東京03豊本のプロレスあれこれ(18)
NOSAWA論外選手(左)のすごさは、試合の勝ち負けの結果だけでは測れないんです 【写真:SHUHEI YOKOTA】
というのも、このコラムの担当者さんが世界陸上の取材のためロンドンへ行っていたらしく、若干間隔が空きました。
というわけで今回のコラムは世界陸上を見てふと思ったプロレスの勝敗について。
内容を重視されるのはプロレス界独特です
ちなみに、論外選手のようなメイク&タトゥーをしていたのは女子走高跳のイニカ・マクファーソン選手(米国)です 【写真:SHUHEI YOKOTA】
「リコシェ以外に、人間こんなに飛べるの?」
「女子走り高跳び、世界記録は2メートル9センチ? ジャイアント馬場さんを飛び越えちゃうじゃん!?」
「吉野正人のロープワークみたいに速い!」
そんな風にも見ていましたが、印象としてとにかく勝たなければダメなんだと思いました。
これはプロレスには無い“記録”がすべての世界。
NOSAWA論外選手みたいなペイント(?)とタトゥーを入れている選手がいたり、ダッドリー・ボーイズばりにメガネをしたまま競技をする選手がいたり、個性もあるんだなぁと思いましたが、とにかく記録が出ないとダメ、1位にならなければいけない世界。
しかしプロレスは勝ちでももちろん評価の対象ですけど、負けても、負け方次第では評価もされる不思議な世界。
逆に言ったら先輩を倒してベルトを巻いても、先輩を超えたという事にならない世界。
これは他のスポーツには無いプロレス独特のものです。
マスカラスもブッチャーも論外選手経由でオファー!?
自身の東京愚連隊興行にすごい選手を集められてしまうのも論外選手のすごさです 【写真:SHUHEI YOKOTA】
ただ、そうは言っても論外選手は、選手としての試合運びやヒールとしてのお客さんからヒートの買い方など抜群ですし、選手間での評価も高いみたいです。なので試合のオファーも多く団体に所属していないフリーながら試合が途切れる事はありません。
それに米国やメキシコのネットワークも自ら持ち、外国人選手のブッキング能力もとんでもなく高い!
自身の主催する東京愚連隊興行に外国人選手を呼ぶだけでなく、他団体からも「誰々選手を呼んでくれませんか?」と頼られます。
マスカラスを日本に呼ぶのも、ブッチャーを日本に呼ぶのも、ミゲロ・ペレスJr.を日本に呼ぶのも窓口は論外選手が確実です。
あ、ミゲロを呼ぶ団体はなかなかいませんね。