ダブル表彰台で“お家芸”復活の兆し 平泳ぎの小関、渡辺が築いた確かな礎

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男子200メートル平泳ぎで小関也朱篤(左)が2位、渡辺一平(右)が3位に入り、日本のお家芸復活を印象づけた 【Getty Images】

 ハンガリー・ブダペストで行われている水泳の世界選手権(以下、世界水泳)は、競泳の6日目まで終了した。日本代表は前日までに大橋悠依(東洋大)と萩野公介(ブリヂストン)の銀(共に200メートル個人メドレー)、瀬戸大也(ANA)の銅(200メートルバタフライ)とメダル3つを獲得。4つだった前回のロシア・カザン大会(金3、銀1)まであと1つと迫っていたが、金メダルはまだ生まれていなかった。

 そんな中、現地時間28日の第6日は、日本の金メダル獲得に期待のかかる男子200メートル平泳ぎ決勝が行われた。このレースにエントリーしたのは、1月の東京都選手権で世界記録保持者(2分6秒67)となった渡辺一平(早稲田大)と、自己ベストや50メートルの日本記録更新と今季好調の小関也朱篤(ミキハウス)。それぞれの思いを持って臨んだレースで、小関は2分7秒29で銀、渡辺が2分7秒47で銅メダルを獲得した。金メダルにこそ届かなかったものの、ダブル表彰台で世界にその存在感を示した。

狙い通りだった決勝レース

150メートル時点ではトップに立った渡辺。リオ五輪後に取り組んだ強化の成果が現れたレース運びだった 【Getty Images】

 レースがスタートすると、先に飛び出したのは小関だった。

「うまく水を捉えて自然なテンポの流れで泳いでいました」と、2位の渡辺に体半分ほど抜け出す0秒37差をつけて50メートルを先頭でターンする。

 一方、渡辺も狙い通りのスタートを切る。「小関さんが前にいっているのは分かっていたのですが、自分の掻き数、泳ぎに専念していた」と次の50メートルを狙っていた32秒台(32秒59)で通過。渡辺の左隣のレーンを泳ぐ優勝候補のアントン・チュプコフ(ロシア)は100メートル時点で7位と出遅れていた。右隣では小関が少し前を泳いでいる。しかし渡辺が戦っていたのは自分自身だった。

 ターンをするたびに、小関との距離を詰めていく。リオデジャネイロ五輪後に取り組んだ下半身強化の成果が現れた、狙い通りのレース展開。150メートルのターンで2位の小関に0秒05差のトップに躍り出た。

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