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小林祐希の言葉に潜む夏の移籍への野心
30試合連続先発し、つかんだ手応え

小林は30試合連続先発出場を果たしたが……

小林祐希(左)はレギュラーシーズンで30試合連続先発出場を果たしたが、プレーオフの2試合ではスタメンから外れた
小林祐希(左)はレギュラーシーズンで30試合連続先発出場を果たしたが、プレーオフの2試合ではスタメンから外れた【Getty Images】

 今季のヘーレンフェーンは、前半戦17試合が4位、後半戦17試合が17位と好不調がハッキリし、総合成績は9位だった。辛うじてヨーロッパリーグ出場権を懸けたプレーオフに進んだものの、1回戦で当たった4位ユトレヒトとの実力差は明らかで、5月17日(現地時間)に行われた第1レグで1−3、20日の第2レグで1−2と連敗して今季のスケジュールが終了した。


 ヘーレンフェーンのチーム崩壊があらわになったのは、1月25日のKNVBカップ準々決勝、敵地でAZに0−1で敗れた試合だったかもしれない。試合内容こそ、ヘーレンフェーンが勝つべき内容で、これで負けるのは気の毒と思われたが、ピッチの上では攻撃陣のエゴが中盤、守備の選手たちをイライラさせていた。チームの歯車は狂い出し、誰かがパスミスを冒すと本人もチームメートも肩を落とした。この苦境を負傷が癒えたスタイン・スハールスが救ってくれるものと思われたが、事態は改善されなかった。


 レギュラーシーズンで30試合連続先発出場を果たした小林祐希は、プレーオフの2試合でスタメンから外れ、第2レグの前半終了間際から46分間プレーしたにとどまった。ユルゲン・ストレッペル監督は、小林を使わなかったことについて「ユウキはチームにとって重要なプレーヤーだ。しかし、昨年1月から80試合もプレーしており、現在もメンタルは素晴らしいが、フィジカルに疲労を抱えているんだ」とユトレヒトとの第1レグ終了後に明かしていた。だが、小林はその説明に全く納得してない。


「結果論だけれど、『“疲れている俺”と“疲れていない人たち”、どっちがいつも通りプレーしていた?』『勝たなければいけない試合。3点必要な試合。ミスできない試合――それでいつも通りプレーできていたのは誰?』。それは片手で収まると思うんです。もちろん俺は監督をリスペクトしているし、文句を言うつもりはないけれど、『納得してくれ』と言われても難しいですよね。一番大事な時に外されたわけだから。疲れていたってプレーはできる。一言で言うと、納得できないですね」

プレーオフでの「凝縮された45分間」

20日のプレーオフ第2レグも1−2で敗れ、ヘーレンフェーンの今季のスケジュールは終了
20日のプレーオフ第2レグも1−2で敗れ、ヘーレンフェーンの今季のスケジュールは終了【Getty Images】

 確かに、第2レグでの小林のプレーから疲れは微じんも感じられなかった。アンカーの位置から積極的に攻め上がり、再び自分のポジションに戻ると、焦る仲間たちに笑顔を送った。強烈なミドルシュートがバーをかすめる場面も作った。


「もう笑うしかない状況だった。だって、4点、5点必要だったでしょ!? あそこで、『つまんねえ』とか『早く終われよ』と思ってやるより(いい)。俺にとっては15分ぐらいの感じで終わっちゃいました。ホントに凝縮されてたんだなと。最後、自分的にはプレーがスムーズでしたし、味方と意思疎通ができなくて後ろでパスをミスしたりはあったけれど、そんなの別に、みんなミスしていますし、気にしないでできました。そういう意味では、俺の45分は収穫だったと思います」


 小林の言う「凝縮された45分間」とは、今季オランダで得た数々の手応えを、シーズン最後のゲームでも示せたということ。小林はヨーロッパでのデビューシーズンを振り返り、こう語っていた。


「もちろん悪い時もあったし、すごく良い時もあったし、1点しか取れなかったとか、アシストができなかったとか、悔しいこともありました。だけど(レギュラーシーズンで)30試合に出られたし、けがも1回もしなかった。対人に強くなった、ヘディングも競り合えるようになったとか、成長した部分もいっぱいありました。それが、凝縮された45分間だったと今日、感じました。自分としてはスッキリしていますね」

中田徹
中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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