激戦ローテ争い、移籍組の状態、期待の若手は? 五十嵐亮太がソフトバンク投手陣のキャンプを評価
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上沢直之はまだまだ調整段階
過去の実績を踏まえたら順当ですよね。これからオープン戦が始まりますが、早い段階で当確を伝えることによって、主力選手たちはオープン戦でそこまで結果を求めなくてもよくなります。そうなると開幕に向けての調整はより進めやすくなります。まだ先発ローテの枠が決まっていない、競争だとなると、競争意識は煽ることは悪いことではありませんが、ちょっとペースを早めなければいけない、結果を残さなければいけないということで、ある程度調整を早める必要が出てくる。そんなリスクを抑えられるのはすごくメリットです。
一方で、残された枠をめぐって多くの先発投手たちが勝負をしていかなければいけません。若手含め、他の投手たちはしっかりと結果を出してくれ、というスタンスですね。残りの枠が少ない分、競争意識はより高まると思います。
――新加入の上沢直之投手も監督の評価が高く、順調にいけばローテ入りが有力と見られますが、五十嵐さんの印象は?
上沢投手はブルペンには入っているのですが、精力的に投げ込むというよりもフォームの修正に重点を置いているように見えました。おそらく気温も関係していると思いますが、第2クールではまだそこまで力を入れて投げていなかったです。リリースポイントを安定させるなど、実戦の前の段階ですね。調整としてはそこまで早くなく、しっかりと自分のペースでやっている印象でした。
残りの先発ローテ枠に滑り込むのは?
今の段階で評価するのは難しいですが、過去の実績や昨季の成績を見たら、大津投手が一歩リードしていると思います。
板東投手は昨季投げられなかったことを考えると、今後インパクトのあるピッチングを見せられるかが大事になってくる。大津投手は、第2クールからバッティングピッチャーに入っていますが、今年は特に乾燥が厳しくて、寒さの影響もあって、なかなかボールをコントロールしにくそうでした。自分本来のピッチングができなかったと話をしていました。その後にブルペンに戻って修正をしていました。
昨季は夏以降に結果がついてこなかったことについて本人に話を聞くと、少しバテてしまい、疲れがなかなか取れにくかったり、体に張りがある状態だったそうです。疲れが溜まっている状態でも結果を残すことが大事ですが、そこの対応がうまくできなかったそうです。
1年通して戦っていく上で、体のボリュームの強さが大事になってきます。そのためのトレーニングやピッチングを心掛けていると話していました。彼の話を聞いていて、自分の欠点や、どうやって改善して進んでいくべきかというところがすごく明確だったので、そういう選手は結果を出しやすい。大津投手はいい調整ができていると思います。
――DeNAからの移籍組はどんな印象でしたか?
そこまで投げ込んでいるという感じではなかったです。練習中も早くチームに溶け込みたい雰囲気があり、ノックを受けている時の表情もみんな明るかったです。又吉克樹投手とノックを受けているところを見たのですが、又吉投手が上茶谷投手と濱口投手が溶け込みやすい空気を作っているように見えました。
彼らはセ・リーグである程度投げてきているので、開幕にどう合わせるかというのもわかっています。自分たちが力を発揮しなければいけないタイミングというのも理解しているように思います。
――又吉投手とともに投手陣最年長の東浜巨投手はいかがですか?
東浜投手は昨年結果がついてこなかったので、今年にかける思いは強いと思います。でも気温が低いので、まだこれからだと思います。とはいえ、投手によっては気温を気にしないで投げている選手もいます。若い選手は特にそうですし、ある程度年齢を重ねた選手でもしっかり準備しているなと見て感じました。