世界に衝撃を与えた17歳・平野美宇 「打倒中国」を実現しアジア初制覇
「ヤバイ、夢かも!」
世界が驚いた平野美宇のアジア制覇。本人は「夢かも!」と喜びを爆発させた 【写真は共同】
だが、そんな歴史もどこ吹く風。優勝を決めた直後の平野はコートからベンチに戻ると、「ヤバイ、夢かも!」と今どきの女子高生らしい素直な表現で喜びを爆発させた。
ハイライトは世界ナンバーワンの丁寧撃破
1ゲーム目は平野に硬さがあったかもしれない。何しろ丁寧は過去6回シングルスで対戦して1ゲームも奪えていない相手なのだ。2ゲーム目も先に5点をリードした丁寧が主導権を握るかに見えた。だが、その直後に潮目が変わった。第2ゲームは12−14で惜しくも落としたが、3ゲーム目の接戦を11−9で制した平野は、続く4ゲーム目も2度のマッチポイントを握られながらピンチをしのぎ、16−14でフルゲームへと持ち込む。勝負を決するラストゲームも大接戦だったが12−10でモノにした。試合全体を振り返ってみると、第4ゲームの平野の粘りが勝利を引き寄せたといえるだろう。
過去、丁寧に勝った日本人には2014年アジア大会団体戦の福原愛(ANA)、その前には2006年ジャパンオープンの福岡春菜(元中国電力)がいるが、世界ランク1位になってからの丁寧には2016年リオ五輪アジア予選の伊藤美誠(スターツSC)しか勝っていなかった。奇しくも伊藤が丁寧を破ったのは平野の誕生日。つまり平野が今大会で丁寧に勝ったのと同じ日だったことになる。「去年の誕生日は美誠ちゃんに話題をさらわれた」と平野が伊藤と笑い合っていたのが印象的だ。