大賞典“そんたく”レース、シュヴァル 「競馬巴投げ!第140回」1万円馬券勝負
この世の幻想世界は「忖度」から来ているのではないか
[写真1]スピリッツミノル 【写真:乗峯栄一】
「相手の気持ちを慮(おもんばか)る」というのが、辞書的な「忖度」の意味で、籠池理事長の言葉を代弁することで有名になった菅野というノンフィクション作家は「わたしはこれらの役人の行動を“全自動ソンタク機”と呼んでいます」と言っていた。なかなか妙のある言葉だが、「慌てん坊の“そんたくロース”」という言葉もあるなあとも思った。
すべてのこの世の幻想世界(恋愛も家庭も国家も幻想世界の話だと思う)というのは「忖度」から来ているのではないか。
キングサーモンの排卵・射精も「忖度」なのだ
[写真2]シュヴァルグラン 【写真:乗峯栄一】
(1)私が他者を、彼が自分でそうとみなしている人格どおりのものと認識している。
(2)彼が私を、私が自分でそうとみなしている人格どおりのものと認識している。
大切なのは私が相手をどうみるかではない。相手が自分をどうみているかを私がどう了解するかであると言う。これは微妙だが、大きな違いだ。この微妙で入り組んだコミュニケーションの欺瞞に気づいた者だけ、訥(とつ)弁になり、ときに了解不能の言葉を発する。
[写真3]レーヴミストラル 【写真:乗峯栄一】
いわば路上排卵、路上射精だ。そんなもののために、なぜ命を賭け、そして死んでいけるのか。路上排卵、路上射精ごときで、どうしてそんなに大口を開けられるのか。もしキングサーモンに声帯があれば、カムチャッカの源流はキングサーモンの叫び声で大変な騒ぎになる。
つまりあれも「忖度」なのだ。「わ、この人、こんなに大口開けて、2万キロも遡上して体キズだらけりはずなのに。そんなにわたしの卵子が欲しいのね。ウーワァー」とメスザケも大口を開けると、そういうことなのだ。