Bリーグプレーオフに進むのはどこ? 上位と残留、2つの争いは波乱の気配
東地区首位を走るA東京のギャレット。元NBAの実力をいかんなく発揮している 【写真:アフロスポーツ】
A東京、栃木の1位争いに千葉が割って入る!?
チームの“エース”はSG田中大貴。特に、苦しい場面で放つ3ポイントシュートは圧巻(リーグ3位/成功率44.2%)で、何度もチームのピンチを救ってきた。そして、インサイドで力を発揮していのがPFの竹内譲次だ。外国籍選手が並ぶリバウンド部門で、日本人選手最高のリーグ6位(1試合平均9.7本)を記録している。
他にも名前を挙げればきりがないがもう1人、注目したいのが正中岳城。粘り強いディフェンスに高確率の3ポイントシュート、常に声を出してチームを引っ張る彼は「精神的な支柱」となっている。
2位の栃木ブレックスも田臥勇太を筆頭に、A東京に引けを取らない実力派がそろう(23勝7敗/勝率7割6分7厘)。安定感抜群のライアン・ロシターは得点部門でリーグ4位(1試合平均18.9点)、リバウンド部門ではリーグトップの1試合平均13.2を記録。ケガで戦列を離れていた古川孝敏が復帰したのも大きい。1月21日、22日には中地区首位で川崎ブレイブサンダースと対戦し1勝1敗と競った展開となっており、プレーオフを勝ち上がる力も備えている。
上位2チームのマッチレースの様相だった東地区だが、そこに割って入ってきたのが千葉ジェッツだ(20勝12敗/勝率6割2分5厘)。オールジャパンで初優勝を飾った勢いそのままに、けん引役の富樫勇樹が抜群の存在感を示している。今や“日本バスケの顔”ともなった彼を中心に、チームケミストリーが向上したことが好成績に結びついているようだ。小野龍猛や石井講祐、ヒルトン・アームストロング、マイケル・パーカーらがコートを広く使ったプレーで躍動し、プレーオフ進出へ着実に前進している。
下位の3チーム(仙台89ERS、レバンガ北海道、秋田ノーザンハピネッツ)は未だ1桁の勝ち星にとどまっており、苦しい戦いが続く。リーグ全体の下位4チームは「B1残留プレーオフ」を戦わなければならず、その意味では正念場であり、1つでも多く勝ち星を挙げなければならない。
中地区は「元NBA」に注目
SR渋谷に途中加入し、活躍が期待されるサクレ 【素材提供:(C)B.LEAGUE】
2位争いは白熱してきた。シーズン序盤で好調だった三遠ネオフェニックス(18勝14敗/勝率5割6分3厘)を、新潟アルビレックスBB(17勝15敗/勝率5割3分1厘)が追う展開。4位につけるサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)は勝率5割(15勝15敗)となり、ここからの巻き返しが必須といえる。
そんな中、注目ポイントの1つとなるが三遠のジョシュ・チルドレス、SR渋谷のロバート・サクレら「元NBA」の肩書を持つ大物外国籍選手の活躍。チルドレスは2004年のドラフト1巡目(全体6位)でアトランタ・ホークスに入団したキャリアがあり、サクレは12年から昨シーズンまでロサンゼルス・レイカーズに在籍、直近までプレーしていたビッグマンだ。富山グラウジーズのデクスター・ピットマンもマイアミ・ヒートでのプレー歴がある。
ここに来て着実に数字を残すチルドレスに引っ張られ、三遠は再び上昇気流に乗ってきた感がある。SR渋谷はサクレと周りの選手とがうまくかみ合えば、プレーオフ進出争い(地区2位あるいはワイルドカード)に絡んできそうだが、現在3位の新潟には日本で実績のある外国籍選手(得点ランキング2位のダバンテ・ガードナー、同7位のクリント・チャップマン)がおり、大きく後退することはなさそうだ。となると、中地区は2位争いがヒートアップし、ワイルドカード争いも目が離せない。
富山は現在、中地区最下位。なんとか5位の横浜ビー・コルセアーズを逆転し「B1残留プレーオフ」を回避するためにもピットマンの活躍に期待したいところだ。