桑田真澄が語るイチロー 「一番に評価すべきは記録ではない」
直接会話する機会は少なかった桑田とイチロー。二人の“無言の会話”に迫る 【岡田真理】
全盛期の自分で勝負したかった
94年のセ・リーグMVPが僕で、パ・リーグがイチロー君だったんですが、その表彰式で初めて会いました。小さくて細いイメージがあったけど、実際に会ってみると背が高くてしっかりした体格だなと。
その数年前、僕や清原(和博)がプロに入った時に、僕らは「新人類」とか「変わった奴らだ」とか言われていたんですけど、振り子打法や奇抜なファッションで話題になっていた彼こそ「新人類」という感じでしたね。
――その年、イチロー選手はシーズン最多安打の日本記録を更新しましたが、それについてはどんな印象を抱いていましたか?
そういった良い成績を継続することがいかに難しいか僕は知っていたので、1年で終わらず次の年も頑張ってほしいなと思っていました。3年続いたら本物だし、できれば10年続けてほしいなと。当時は交流戦もなくてチャンスは少なかったですけど、対戦する機会があったらいいなと思っていましたね。
――イチロー選手と初めて対戦したのは95年3月11日のオープン戦でしたが、この時のことは覚えていますか?
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