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スコットランド戦で輝いた若き戦士たち
19年ラグビーW杯につなぐ経験に

初の天覧試合に勝利ならず

日本代表はSH茂野がこの試合唯一のトライを奪ったが、接戦を落とした
日本代表はSH茂野がこの試合唯一のトライを奪ったが、接戦を落とした【斉藤健仁】

 欧州の伝統国の意地の前に、勝てそうで勝てなかった。


 ラグビー日本代表は6月25日(土)、東京・味の素スタジアムでスコットランド代表との第2テストマッチ(国際試合)を戦った。昨秋のワールドカップ(W杯)で唯一負けた相手に、先週は13対26で敗戦。連敗を避けたい日本代表は、3万4073人(2004年以来最多)の観客の前で、しかもテストマッチ初の天覧試合において、後半30分までリードしたものの、規律が乱れて反則を重ね、相手をノートライに抑えたが16対21で逆転負け。27年ぶりの勝利はならなかった。なお、このカードの通算成績は、日本の1勝10敗(互いにテストマッチと認めた試合では0勝7敗)となった


 反則数は日本の18に対して、スコットランドは8。第1テストマッチ同様に、接点での規律を守れず、自陣での反則が響いて、7PGを決められて敗戦してしまった。

ハメットHC代行は判定に疑問

スコットランド代表のリッチー・グレイ(右から2人目)は身長207cm、弟のジョニー・グレイ(右から3人目)は198cm
スコットランド代表のリッチー・グレイ(右から2人目)は身長207cm、弟のジョニー・グレイ(右から3人目)は198cm【斉藤健仁】

 日本を率いていたマーク・ハメットHC(ヘッドコーチ)代行は「ディスリスペクト(disrespect)」という言葉を使い、「2試合を通して(レフリーに)明らかに“失礼な扱い”を受けていたと思うところがあります。自分たちが犯したペナルティーは納得いきますが、若干不公平なジャッジをされていたという印象が拭えません」と敗因の一つとして、ジャッジに不満をぶつけた。ただ、「レフリーに合わせていかないといけない」とSH茂野海人が言うように、スコットランドとの2試合を通して、試合中の修正能力には課題を残した。


 一方のスコットランドは日本の高温多湿な気候を鑑みて、左PRのウィレム・ネル、キャプテンのSHグレイグ・レイドローを温存し、後半から投入。見事、ヴァーン・コッターHCの采配が当たり、後半はスクラムで優位に立ち、ゴール前でのディフェンスでは反則をすることなく、SHレイドローのゲームコントロールと精度の高いプレースキックで勝利を呼び込んだと言えよう。


 日本としては後半のチャンスに1本取り切れていれば……という展開だったが、そこは伝統国との差だったとも言える。ただ、反省点、課題だけでなく、ポジディブだった面もある。それは、2015年のW杯組に混じって若手選手たちがテストマッチレベルの試合を経験したことだ。

「ジャパンの自信にしていい」美しいトライ

SH茂野(左)、WTB笹倉(中央)、FB松田(右)と、昨秋のW杯を経験していない選手が強豪相手に奮闘した
SH茂野(左)、WTB笹倉(中央)、FB松田(右)と、昨秋のW杯を経験していない選手が強豪相手に奮闘した【斉藤健仁】

「若いメンバーが入ってきて、その中でもこのレベルでしっかりと戦えるというところを示すことができた」とハメットHC代行が言えば、司令塔の一人である小野晃征は「2019年のW杯に向けて、どうつながるかわからないが、ピッチの上でW杯を経験した選手とそうでない選手が練習や試合に向けた意識を共有できたことは大きい」と振り返った。


 その象徴が、前半19分の日本の見事なトライだった。自陣22m、右サイドからのマイボールラインアウトを、昨年度のトップリーグ新人賞のLO小瀧尚弘がクリーンキャッチし、SOとインサイドCTBのループ(一度パスをもらった選手がもう一度もらうプレー)で大外に展開、唯一の大学生メンバーでテストマッチ初先発のFB松田力也が力強いランを見せる。

 そこから、再び、逆サイドに展開し、No.8アマナキ・レレィ・マフィがゲインすると、昨年度のトップリーグベスト15のFL金正奎がフォローし、最後はSH茂野に渡り、中央にトライを挙げた。


 この試合が98キャップ目となったベテランLO大野均も「このトライは、W杯に行った組、行かなかった組に関係なく、これからのジャパンの自信にしていいと思います。この悔しさを、自分もそうですが、これから何年もジャパンを引っ張っていく小瀧や力也ら若い選手がしっかり噛みしめてほしい。また、大勢のお客さんの前で、これだけパフォーマンスができたことを誇りに思ってほしい」と若手の躍動に目を細めた。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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