早稲田大ラグビー部、復活なるか? 「史上初の敗戦」からのスタート
元主将の山下大悟氏が新監督に
山下新監督(中央)の下で大学選手権優勝を目指す 【斉藤健仁】
5月15日、夏を思わせる日差しの中、東京・上井草の早稲田大グラウンドで、春季大会の初戦、青山学院大戦が行われた。互いに得点を取り合う拮抗した展開となる。29対31で迎えた後半、早稲田が終始優勢だったスクラムで相手の反則を誘う。
見ていたファンの誰しもが「もう一度、スクラムだ!」と思った瞬間、FWの選手がクイックリスタートを仕掛けて、最後はSOがディフェンスラインの裏にボールを蹴ったもののトライに届かず、結局、そのままノーサイド。公式戦で青山学院大に史上初めて敗戦を喫した。
「スクラムコーチ」を置いてセットプレーを強化
青山学院大戦で優位に立っていたスクラム 【斉藤健仁】
ただ最後のシーンについて伊藤コーチは「最後はスクラムにこだわってほしかった。まだ選手たちのマインドを変えることができなかった」と悔しそうな表情を見せた。ラインアウトの成功率はさほど良くなかったが、低く8人で組むスクラムで相手にプレッシャーをかけ続けていた。鶴川はPRになって3週間ほどとは感じさせなかった。今後、ライバルの帝京大、明治大、東海大を上回るスクラムを組めるようになるか。焦点の一つだ。
青山学院大戦では守備が乱れるシーンも
組織ディフェンスはこれからさらに整備することになりそうだ 【斉藤健仁】
ただ、試合では、強化してきたはずの組織ディフェンスは、青山学院大のポッド・アタックが良かったこともあり、まだ「強みになっている」とは言いがたい。セットすることができていても、時間が経つにつれてノミネート(マークする相手を確認し、味方に伝えること)できなくなってきたり、相手がボールを動かすにつれてミスマッチが起きたりしていた。またブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)では、2人目、3人目の選手がオーバーする意識が高すぎたこともあり、反則がやや目立った。