日本代表、スコットランド戦で見えた課題 「戦術の精度」を高めて第2戦へ
ワールドカップ以来の再戦
スコットランド戦で奮闘した日本代表No.8マフィ 【斉藤健仁】
6月18日(土)、ラグビー日本代表(世界ランキング11位)は愛知・豊田スタジアムで、国内テストマッチでは最多(2004年以降)の2万4113人のファンが見守る中、昨秋のワールドカップで唯一敗れたスコットランド代表(同9位)との第1テストマッチを行った。日本は終盤にゴール前に攻め込み見せ場をつくったものの、2度のシンビン(10分間の一時的退場)が響き、13対26で敗れた。なお、このカードの通算成績は、日本の1勝9敗(互いにテストマッチと認めた試合では0勝6敗)となった。
日本は、先週のカナダ代表戦から、HO堀江翔太主将、LO大野均、FLツイ ヘンドリック、No.8アマナキ・レレィ・マフィらが加わり、昨年のワールドカップ組9人を集めて挑んだ。
一方のスコットランドも主将で正確なキックが持ち味のSHグレイグ・レイドロー、身長207センチのLOジョニー・グレイ、今年の欧州最強国決定戦である「シックスネーションズ」MVPのFBスチュアート・ホッグらワールドカップの日本戦で先発したメンバー10人をそろえた本気の布陣だった。
両チームともに、2019年ワールドカップの出場権を獲得しており、来年5月に日本で開催されるワールドカップの組み合わせ抽選を見据えて、一つでも世界ランキングを上げたいという意気込みも感じられた。
No.8マフィのポジショニングを工夫
スコットランド代表はレイドロー主将を中心に、正確なプレーで日本代表に重圧をかけた 【斉藤健仁】
序盤、日本はラインアウトはクイックスローイングをするなど狙った通りの試合運びをしていたと言えよう。特にマフィは、アタックでは右ライン際に張っており、守備では相手のキックに備えてFBの位置に入っていた。
素早い攻撃と組織ディフェンスが光る
前半8分、素晴らしいつなぎから堀江主将が逆転トライを奪う 【斉藤健仁】
ほかにも良かった点がある。組織ディフェンスだ。マーク・ハメットヘッドコーチ(HC)代行も「ディフェンスのラインスピードは誇りに思っている」と称えた。ディフェンスラインがセットされれば、FWはしっかりと前に出て、一人目が低く、2人目はボールに、と徹底されていた。またBKもCTB立川−CTBティム・ベネットのコンビ間でしっかりと意思疎通ができており、前に出つつも流れるところは、しっかりと流れて相手のアタックを止めていた。この試合の失トライは2だったが,ディフェンスラインが崩れて取られたものではなかった。