霜田委員長「アイデンティティーを確立」 サッカー日本代表年間スケジュール発表

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ハリルホジッチ「キリンカップから第二段階が始まる」

ハリルホジッチ監督は「6月のキリンカップから第2段階が始まる」と語った 【スポーツナビ】

ハリルホジッチ 日本に来て9カ月が経った。すべての日本の場所を訪れる時間はないが、京都や広島や大阪というところは見させてもらった。家族が今来てくれているので、昨日と一昨日、京都を訪れることができた。京都の神社に行って、サッカーの神様にも日本のフットボールのためにお祈りをしてきた。私は日本のフットボールのために、日本に来た。そして、小さなことで満足したくない。大きなことをしなければ、私は去ってしまうだろう。それに関しては楽観的でいる。日本という国は質が高く、多くの可能性がある。しかし、FIFAランキングでは現在、53位という順位にいる。それは2011年から下がってきており、11年には13位だった。これは素晴らしいことだと思う。ただその後、FIFAランキングが下がってきている。私はそれを上げるための努力をしたい。全員に働き掛けていきたいのだ。

 現在フットボールが何を要求しているかも考えた。私は選手としても監督としてもさまざまな経験がある。選手として、監督としてチャンピオンズリーグ、W杯にも出場してきた。私のアイデアを選手に、チームに伝えていきたい。チームの雰囲気は素晴らしい。15年は成功したと思っている。ただ、まだ第一段階にすぎない。

 3月には2次予選が終わる。そこでは1位をキープしたい。そして6月にはキリンカップがある。そこからわれわれの第二段階が始まる。第一段階よりは難しい相手が待っていることだろう。そして最終予選はW杯に直接関わる重要な大会だ。そして第三段階、W杯本大会だ。そこでは日本フットボールのアイデンティティーを見せたい。選手の長所をベースにし、現代フットボールに適応させる。

 数日前に国内組を集めてミーティングをした。テクニカルスタッフとも、S級のコーチ研修でも話をさせてもらったし、われわれのロードマップを見せた。チームのために個人、組織は何ができるかという話と、全員のサポートが必要だという話をした。これは私と霜田委員長だけのプロジェクトではない。これは日本の将来のためのプロジェクトだ。日本のすべての人が向上に貢献できるという話をした。ただ、われわれは合宿では選手と過ごす時間がない。つまり、日々のクラブでのトレーニングが重要だという話を選手にした。

 2月には海外でプレーする選手に会い、話をしたいと思っている。そこでもメッセージを伝えたい。われわれは第二段階で何をするべきか。それから、スタッフと関係者がすべての選手の発展を見ているという話をした。われわれがトレーニングをする選手は素晴らしい選手ばかりで、リスペクトしてくれる。トレーニングの規律も素晴らしい。日本人が既に持っている勤勉性をさらに発展させ、さらに勝つ文化を発展させたい。相手をリスペクトするのは大事だが、自分の長所もリスペクトし、勇気を持ち、リスクを取りなさいと。その時にラグビー日本代表の話を例に挙げる。彼らは9月のW杯の際に素晴らしい成績を残した。特に、フィジカルのクオリティーをかなり上げた。われわれもそれができるのではないかと思っている。タクティクス面でも成長できることがある。16年が15年よりさらに発展することを期待している。

 最後に、支えてくれるすべての人に感謝したい。皆さんに伝えたいことは、われわれは日本のフットボールをできる限り向上させたいということ。それだけだ。そしていつか、「ヴァイット、ありがとう」と言われたらそれで十分だ。

われわれよりも強いチームと対戦したい

──6月のキリンカップは最終予選を見越してメンバーをある程度固定するのか、それとも新戦力をこの時期まで試すのか。また、どのような対戦相手を希望しているのか?

ハリルホジッチ 6月のキリンカップはできるだけ良いチームで臨みたい。これは、かなり良いテストになると思っている。3月の予選が終われば、われわれは第二段階の準備に入る。できるだけわれわれよりも強いチームと対戦したい。(そのために)できるだけ強いチームで臨みたいし、さらに厳しい要求を(選手に)していきたい。

 2015年はずっとトレーニングをしてきたが、タクティクスについては守備面でも攻撃面でもいろいろなものを要求してきた。オフェンス面ではFKを向上させようという話もしてきた。メンタル面でも、「もっとアグレッシブにやってほしい、もっと勇気を」と要求した。強豪国と対戦するときも、勝負には厳しく要求していきたい。先ほど申し上げたとおり、われわれのFIFAランキングをさらに上げていきたい。現段階のランキングで満足してはいけない。キリンのみなさんには支えていただいているが、そのためにも勝たなければならないと思う。

 対戦国については、すでに何カ月かをかけてディスカッションを進めている。われわれよりも強いチームとやりたいが、欧州のチームはユーロ(欧州選手権)の準備をしている。アフリカのチームはアフリカ選手権の準備をしているし、南米のチームも彼らの大会の準備をしている。そういった大会にかかわりのないチームが対戦相手となるだろう。もちろん南米の強豪国と試合をしたいが、できるだけ強いチームをこのトーナメントに呼びたい。まだ正確な情報は把握していないが(対戦相手が)分かればすぐにお伝えしたい。

──霜田委員長、日程表には11月には予選1試合しか入っていない。ここに親善試合が入る予定なのか?

霜田 まだ(最終予選ドローの)ポッド分けが決まっていないので、決まったらフレンドリーマッチが入ると思います。ただしどこと、どこで試合をやるかは、公式戦の相手と場所によって決めたいと思います。

手倉森「本戦出場を果たし、メダル獲得に全力を尽くしたい」

VTR出演となった手倉森監督。「メダル獲得に全力を尽くしたい」と意気込みを語った 【スポーツナビ】

霜田 U−23、この年代は一番強化の難しい年代と言われています。プロに入って1年目、2年目、なかなかチームでレギュラーを取れない、公式戦に出場できない。そういう選手たちが日本サッカーのずっと課題でした。この年代で五輪を勝ち取ること、この年代で強化をしながら次のA代表につなげていく。それをどれだけできるかというのを僕らは一番重要な柱だと認識しています。

 まず2つ挙げました。普段所属クラブで試合に出ていないのに、急に日の丸をつけて世界の強豪と戦うっても良い試合ができるわけがないです。まずは所属クラブでしっかり試合に出る、公式戦でしか味わえない感覚、経験、知識、戦う姿勢をまずはクラブでやってほしいということで、クラブで試合に出るというのを義務付けました。そしてもう1つ、チームとして予選を勝ち抜く、その2つの柱をもとに今年1年、戦ってきました。3月の1次予選は突破することができましたので、来年からの最終予選、ここで必ず結果を出し、五輪の出場権を獲得したいと思っています。まずは来年の1月に出場権をしっかりと獲得して、その後は世界の強豪と戦うべく、前回のロンドン五輪のベスト4を上回る成績を求めるべく、しっかり準備していきたいと思っています。

手倉森(VTR出演) こんにちは。来るリオデジャネイロ五輪に向けて、1月からアジア最終予選が始まります。ここを何とか勝ち抜いて本戦出場を果たし、五輪では日本の歴史を変えるべく、メダル獲得に全力を尽くしたいと思います。そのためには1月には厳しいアジア予選を勝ち抜かなければいけません。日本サッカー界は、日本代表がロシアW杯に向けて動き出しています。そこでの飛躍、躍進は、このU−23世代の代表がリオで結果をもたなければ可能性を示せません。その覚悟を持って、日本サッカーの将来の可能性を高めるために、U−23日本代表は必ず結果を出したいと思います。頑張ります。

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