- 和田章郎(競馬ブック編集部)
- 2015年8月17日(月) 11:50
GIIの賞金最高額レースに

夏の北海道シリーズ、函館と札幌の開催順が現行の日程になったのは1997年から。今年で19年目になります。
クラシックシーズンが終わって、6月中旬に札幌が開幕。8月から9月にかけて函館に開催を移して施行される。この2開催16日の日程がそっくり入れ替わったのですから、従来の日程に慣れていたオールドファンにとっては、いや関係者にとっても、相当にドラスティックな変更でした。
そして、そのタイミングで札幌記念がGIIIからGIIに格上げになりました。
札幌記念はダートで争われていた89年までも、夏場の名物レースとしては十分に存在感がありましたが、このグレードアップによって、実質的にレースの格が上がり、それに伴って出走馬の質も格段に、飛躍的にアップすることになりました。
97、98年に連覇を飾ったのが女傑エアグルーヴ。99年は2冠馬セイウンスカイが制し、2000年以降もテイエムオーシャン、ファインモーション、ヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーン、フサイチパンドラ、アーネストリー、トーセンジョーダンといったGI馬が優勝馬に名を連ねます。昨年もGI馬が4頭出走し、凱旋門賞遠征前の国内最終戦として出走したハープスター、ゴールドシップが1、2着したのは記憶に新しいところです。
このように年々、出走馬の質が上がっているところに、今年また更に特別なレースとして位置づけされることになりました。
JRAが施行するGIIは1年に36レースありますが、今年から1着賞金6800万円。同額のレースが他にない、最も高い賞金のGIIレースになったのです。
今年も有力馬が大挙出走

夏の盛りを過ぎた北海道の8月下旬に設けられた高額レース。秋を睨む一流馬達が、そこに照準を合わせてくるのは必然の流れでしょう。今年も楽しみな有力馬が大挙して出走を表明しています。
昨年の菊花賞を制し、それ以来のレースとなった宝塚記念で見せ場を作ったトーホウジャッカルを筆頭に、昨年のエリザベス女王杯馬であり、今年の大阪杯でキズナ、ロゴタイプを破った次代の女傑候補ラキシスも注目を集めそうです。
他にも、オークス2着の3歳牝馬ルージュバックの回避は惜しまれますが、それでもGI好走馬は目白押し。今年も真夏のビッグレースに相応しいメンバーになることはほぼ間違いありません。