夏場の新馬戦は競馬の面白さの“宝庫” 日程変更によるローカル開催の着目点

真夏のビッグイベント

6月28日にデビューしたクラシック候補と名高いポルトフォイユ、さてあなたのイチオシ2歳馬は? 【スポーツナビ】

 2015年も半分が過ぎて、中央競馬も上半期の日程が終了。北から函館、福島、中京のローカル開催が始まり、この後、札幌、新潟、小倉へ場所を移して、夏競馬もたけなわになっていきます。

 この中央開催がお休みとなる7月上旬に、日本の、いや世界の競馬界が注目するビッグイベントが行われます。JRHA日本競走馬協会が主催する公設市場『セレクトセール』です。

 競馬ファンにはすっかりお馴染みかと思いますが、1998年にスタートした国内最大のセリ市で、主催者が上場する馬を厳選(セレクト)することで上場馬の質を上げ、サラブレッドの流通の活性化を図る。このことを最大の目的に掲げ、18回目となる今年まで大きな成果をあげてきました。

 売買されて活躍した馬を挙げ出すと、21世紀に入って以降の日本競馬を振り返るようなことになりかねないので、ほんのごく一部だけにとどめますと、キングカメハメハ、ディープインパクト、ディープブリランテといったダービー馬や、ナカヤマフェスタ、アドマイヤムーン、ジャスタウェイといった国際派に、カネヒキリ、ユートピア、カレンチャンのエキスパート型など、出身馬のバリエーションはまさに多種多様。年々、このセールの注目度が上がっていくのも頷けます。

 今年は7月13、14日に北海道、苫小牧市のノーザンホースパーク特設会場で開催され、2日間で上場された470頭中394頭の取引が成立。売却総額が同セール史上最高の142億2738万円、売却率が同2番目の83.83%、平均価格は3611万102円(価格はいずれも税込)だというのですから、これこそ爛▲戰離潺ス畍?漫焚厳辰鮗�韻燭里呂瓦一部と言われることも含めて)でしょうか? ともかく、大盛況だったようです。

 特に今年は外国人バイヤーの購買が2日間で22頭にのぼったそうで、改めて日本産馬の注目度が全世界に広まりつつあることを示す結果になりました。

“推しメン”探し

オルフェーヴルも夏の新潟開催デビューだった 【中原義史】

 その注目のイベントと平行して開催されているローカル開催。

 時期的に春と秋のGIシリーズの合間。そもそも競馬場が遠方で、なかなか現地での観戦はかないませんから、どうしても“ひと休み”の感覚になってしまうのはやむを得ない部分もあります。

 でもJRAのCMではないですが、夏は“翌年の活躍馬”をジックリと見ることができる季節。それも多くの人が気づく前であることを思うと、アイドルじゃないですけど“推しメン”を探すのには格好の舞台設定と言えるのです。

“伝説の新馬”と呼ばれるレースは、大抵が秋の開催。なるほど良血の期待馬が暑い夏場を避け、無理使いせずに翌春のクラシックへ、という考え方を否定するものではありません。

 ただ、結果があって伝説になるのに、最近は「伝説の新馬戦を使う」なんて間違った用法がはびこるほどですから、要するにその時期のレースは注目度が高いわけです。

 それだと私、あなただけの“推しメン”とは呼びにくくないですか?

 例えばオルフェーヴルの新潟の新馬戦。楽勝した後、騎手を振り落とした姿を見て、強烈な個性を感じて虜になったとしたら、その後の走りに胸を張りたくなったはずです。

 ちなみに“3歳4冠”の先輩シンボリルドルフも新潟デビュー。近年でもジャスタウェイは新潟でしたし、ハープスターも7月の中京、ロゴタイプもゴールドシップも函館デビューです。

 そう思うと、そもそもの話で、ローカルデビュー組と言ってレベルを云々するのは、ナンセンスとは言わないまでも、案外、さほど気にする必要はないのかもしれません。

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著者プロフィール

中央競馬専門紙・競馬ブック編集部で内勤業務につくかたわら遊軍的に取材現場にも足を運ぶ。週刊競馬ブックを中心に、競馬ブックweb『週刊トレセン通信』、オフィシャルブログ『いろんな話もしよう』にてコラムを執筆中。

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