夏競馬の目玉、札幌記念GI昇格の可能性 唯一無二のリゾート開催とするために
イベントとしてのポテンシャル
札幌競馬場は昨年メインスタンドの大改修が行われ、43年ぶりの“新装オープン”となりました。それも手伝って、豪華メンバーが揃った札幌記念当日は入場者46,097人。競馬ブーム真っ只中ならいざしらず、近年のローカル開催では異例の数字になりました。
ちなみに札幌競馬場の入場レコードは1976年にトウショウボーイが出走した札幌記念当日で60,549人。この時は前記した通り7月11日の施行でしたが、現在は8月下旬です。
ここに夏競馬のビッグイベント=夏フェス的な可能性が出てくるのです。そもそも200万人近い人口を有する北海道最大の、いや日本でも有数の観光都市。その札幌にJRAの競馬場があって、そこでGII最高賞金レースが行われるのですから。
もしも札幌記念=GIが実現したら……
7月のセレクトセールを夏競馬の楽しみのひとつに、というのは前回のコラムに書きましたが、ここではセリ自体を競馬開催に取り込んでしまってはどうか、という話。
今年のケースですと、8月は北海道サマーセールが行われます。これを札幌競馬に連動させることができないものか。勿論、市場の主催者側との調整が必要になるにせよ、それほど困難でしょうか。
で、次に、夏場にセリを絡めたリゾート競馬を札幌で行おうとすると、ひとつだけ足りないのがGI競走、となります。
そこで「札幌記念をGIへ昇格」という案が出てくるのです。
実はこの案については、以前から関係者の間でも話題に上がっていること。今年GIIで最も高い賞金額が設定されたのは、いよいよ実現に向けた動きか?と捉えることができなくもありません。
GIへの昇格については、いくつかの審査機関の承認を得なくてはなりませんが、具体的に“賞金”と“レースレーティング”が対象になるそうで、では今の札幌記念の賞金と質が問題になると思いますか?
で、もしも札幌記念=GIが実現したら、夏場ならではの“リゾート感”を唯一無二のものにするために、開催日程そのものを見直す手がないものか、と思うのです。
今年は土日で6週12日の札幌開催ですが、例えば札幌記念の週だけ“札幌記念ウィーク”とか何とか銘打って、木金土日の4日競馬にする、とか……。
勿論、関係者や、私どもの業界的にも不評かもしれません。でも「潜在的な競馬人気の掘り起こしにやれることをやってみる」という姿勢においては、ひとつの手段として考察する意味がある、と考えます。
もっとも、手元に正確な資料がないので恐縮ですが、そもそも法的な制約があるとすれば空しい論に、いや、単なる妄想になってしまいますが……。でも、検討してみる価値はあると思うのですが、いかがでしょう。
夏の終わりが近づく北海道ですが、そんな壮大(?)な夢を抱かせてくれる札幌記念は8月23日。とりあえず今年は1着賞金“GII最高額”のレースとして注目して頂いて、夢の続きはまたあとで、ということで。