- 高木裕美
- 2014年7月6日(日) 21:46

6日のWRESTLE−1「衝撃〜IMPACT〜」東京・両国国技館では、米国TNAなど国際色豊かな選手たちが参戦し、4つのタイトルマッチを開催。4800人を動員した。
メインイベントでは武藤敬司の悪の化身、グレート・ムタが真田聖也と一騎打ち。3.2両国大会で日本人として初のTNA Xディビジョン王者となり、4カ月間、米国に遠征していた真田だが、帰国直前にベルトを落とし無冠に転落。一度はタイトルマッチとして大々的に発表されながら、直前にノンタイトルマッチに変更される事態となった。
ムタと真田がムーンサルト合戦

先日のTNAニューヨーク大会でもリング上で絡み、互いにジェラシーを燃やしていた両者だが、その気持ちを一気に爆発。真田が開始早々、ドロップキックで先制攻撃を仕掛けると、ムタも顔面に毒霧を噴射し、いきなりのムーンサルトプレス。このムタの動きに触発されたかのように、真田もムーンサルトを連発。不発分も含めて、ムタが3発、真田が4発も発射する、異様な展開に。真田の4発目を食らった直後に下から毒霧を噴きかけて形勢逆転したムタが、本家・月面水爆で3カウントを奪取。
失意のまま引き揚げていった真田に対し、ムタは毒霧を噴き上げて勝利宣言。「SeeYou United States or England」と、海外での復活を予告し、11.1両国での開催が発表された武藤敬司デビュー30周年記念興行に華を添えた。
一方、敗れた真田は「WRESTLE−1に頼っていても、 本当の意味では越えられない。一人でメシを食って行かない」と、再び放浪の旅に出る可能性を示唆した。
敗れたKAIは自らバリカンで丸刈りに

「敗者髪切りor軍団解散マッチ」は、自称WRESTLE−1のエース・KAIが河野真幸に完敗し、自らリング上で赤い髪を刈り上げた。
旗揚げ以来、エースを名乗り続けてきたKAIと、ヒール軍団デスペラードを結成し、傍若無人な振る舞いで観客と選手をヒートさせてきた河野。この日もセコンド3人を随所に試合に介入させ、イス攻撃を見舞うなどやりたい放題。KAIもLAT、スプラッシュプランチャで意地を見せるが、河野の強烈なジャイアントニーを立て続けに食らい、ついに力尽きた。
勝利と共に観客の絶大な支持を得たデスペラードは、「髪切りに興味もないしヒマもない」と、とことんKAIを侮辱。KAIは自らバリカンを突き立てると、パートナーである征矢学の「WRESTLE−1のエースじゃないのか」というゲキに唇を噛み締め、ノーコメントで控室に引き揚げた。
船木がZERO1の世界ヘビー級王座奪取

船木誠勝がZERO1の世界ヘビー級王者・佐藤耕平を破り、新王者に君臨。格闘技色の強い緊張感漂う攻防の末、佐藤の長身から繰り出される強烈なキックを耐え抜き、ハイブリッドブラスターからのスリーパーホールドで佐藤を絞め落とし、ZERO1の至宝をその腰に巻いた。
TNA世界タッグ選手権試合では、デイビー・リチャーズ&エディ・エドワーズ組が、ジュニアスターズの田中稔&金本浩二組をフォースオブネイチャーで退け防衛に成功。試合後は放送席に座るチーム246のカズ・ハヤシ&近藤修司組とも舌戦を繰り広げ、「また日本に戻ってくる」とジュニスタとの再戦や、チーム246との防衛戦にも意欲を見せた。
大和ヒロシはEWPインターコンチネンタル王者のレオン・ヴァン・ガステレンを倒してベルトを獲得。5.4TDCホールでの借りを返すと、「いつ何時、何にだって挑戦する」と攻めの姿勢をアピールした。
吉岡世起もブリティッシュ・ライトヘビー級王者のディーン・オールマークを破り、王座初戴冠。 試合中に着地に失敗してヒザを痛めるアクシデントがありながらも、スワントーンボムで勝利をつかみ、「オレがWRESTLE−1を盛り上げる」と宣言した。