小久保監督 世界一へ「強いチームつくる」=侍ジャパン新監督就任会見 一問一答

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侍ジャパンの新監督に就任し、会見した小久保裕紀氏。WBC覇権奪回に向け、オールジャパン体制での新たな船出となる 【スポーツナビ】

 日本野球機構(NPB)は9日、日本代表「侍ジャパン」の新監督にソフトバンクや巨人で活躍した小久保裕紀氏が就任すると正式発表した。同日、都内で会見した小久保監督は「初めての経験ですが、プロ野球のみならず日本野球が結束してひとつになる、トップチームの監督だという自覚を持って野球に取り組んでいき、強いチームをつくっていきたい」と表情を引き締めながら決意表明した。

 山本浩二監督が率いた今春の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、プエルトリコに準決勝で破れベスト4止まり。監督人選が遅れ、山本監督の就任が決まったのは大会5カ月前だった。今回、NPBは中長期的な強化を目的に侍ジャパンを常設化。今後はプロ、アマ、女子野球すべての代表の総称として、侍ジャパンのユニホームを着用していく。また、スローガンに「野球日本代表『結束』 そして、『世界最強』へ」を掲げ、すべての世代で世界一獲得、そして次回2017年に開催が予定されているWBCでの世界一奪回を目標に掲げた。小久保監督は「若いので、選手たちの目線で、コミュニケーションを図りながら、勢いのあるところを見せていきたい。投手力を中心とした守りの野球、1点を取りにいく野球を磨いていって、細かい・ち密な野球を目指したい」と意気込みを語った。

 昨季限りで引退した小久保監督は監督、コーチ経験がない。小久保監督は、「最初は引き受けていいのかという迷いがあった」と要請に困惑したとの心境を明かしたが、福岡ソフトバンクの王貞治会長の後押しもあって、「人生はチャレンジすることに意義があり、できるかできないかではなく、やるかやらないかだ」と決断に至った経緯を説明した。

 侍ジャパンは11月8〜10日に、台湾・台北で台湾代表と強化試合を行う。候補選手は次回WBCを見据えて、阪神の藤浪晋太郎や北海道日本ハムの大谷翔平ら若手選手が中心となることが予測される。小久保氏は「中長期的な視点で見て、17年WBCで主力となる若い選手が中心となると思う」と語り、選手のコンディションを見極めながら、選定を進める考えを明らかにした。

 なお、小久保監督の契約期間は17年WBCまで。背番号は「90」となる。コーチ陣に関しては近日中に発表予定。

 以下は会見に出席した小久保監督と、沼沢正二NPB・侍ジャパン事業部長のコメント。

王会長が就任を後押し「人生チャレンジ」

小久保監督「最初に話をいただいたときには、正直、監督経験のない私が引き受けていいものかという迷いももちろんありました。しかし、人生、チャレンジすることに意義があり、できるかできなかいではなくて、やれるかやらないか、やるかやらないか、というところで勇気を持って決断しました。この先、中長期的な視野で、日本全体、プロ野球のみならず、社会人、大学野球のトップ選手たちの代表監督として率いていくわけですが、最終的にはやはり2017年WBCの世界一奪還というものへのスタートとなります。その初陣として、来月予定されている台湾遠征ですが、もちろん勝つことが大前提ではありますが、中長期的な視野というものになると、若いメンバーが中心となって選出することになると思います。初めての経験です。自分の監督像を含め、どんなスタイルの野球をしていくのか、今の時点ではっきりした思い描く像はありません。一番大事にしたいのは、侍ジャパンの発足にあたり、プロ野球のみならず、日本の野球が結束して、ひとつになっているという、そこのトップの監督なんだという自覚をしっかり持った上で、野球に取り組んでいきたい。強いチームをつくっていきたいと思います」

――就任に至った経緯、心境の変化は?

小久保監督「最初にお話をいただいた時には、自分ではまったく想像していないことだったので、現実的にその立場になった時のイメージがなかった。ただただ驚きました。しかし、侍ジャパンの考え方“結束”、日本野球のために、というお話をいただいた時に私で力になれればと思い、現ソフトバンクの王会長にもご相談させていただき、『こういうものはタイミングであり、縁だ』というお言葉をいただき、後押しをいただいたので最終的に自分の決断に至ったところです」

――侍ジャパンを率いるにあたり、目指すチーム像は?

小久保監督「指導者としての若さ、現役選手たちに近いというところで、選手たちの視点でコミュニケーションも含め、勢いのあるところを見せていきたいと思っています」

――今の段階での代表に入ってほしい選手はいるのでしょうか?

小久保監督「中長期的な視野で見た時に、17年WBC、15年にあるプレミア12がありますが、4年後に主力になる選手というところで、ぜひともこの選手というのは4年というのは長い期間なので、個人名はこの場で挙げるのは控えたいです。次の台湾に向けては、若いメンバー中心でいくと思います。ただ、まだクライマックスシリーズ、日本シリーズもありますので、しっかり動ける選手、体に不安を持っていない選手を(選考)ということになると思います。具体的には今は選考中です」

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