拡大するリーガの2強体制と貧富の差=リーグの魅力とスペクタクルの行方は…
異なるプレースタイルの構築に取り組むマドリー
開幕戦でいきなり決勝点を決めたイスコ(左)。彼のようなスター選手が今季もリーガを盛り上げる 【Real Madrid via Getty Images】
レアル・マドリーはアンチェロッティの下で異なるプレースタイルの構築に取り組んでいる。ベイルの加入有無によってシステムやメンバー構成が変わってくるが、今季は以前ほど縦に速い攻撃ばかりに傾倒せず、より見る者を楽しませる連係プレーが見られる機会が増えるはずだ。
ベイルが加入した場合、先発から外れるのはルカ・モドリッチか、カリム・ベンゼマか。いずれにせよアンチェロッティは4バックとピボーテ2人(1人は守備専門、もう1人はオーガナイザー)、そして2トップを起用することが予想される。2列目のインサイドMFにはマラガから獲得したスペインの未来を背負う若き天才、イスコが定位置をつかむはずだ。
徐々に信頼をつかみつつあるマルティーノ
リオネル・メッシと同じアルゼンチンのロサリオ出身で、ともに地元クラブのニューウェルス・オールドボーイズ出身であるマルティーノは、南米での実績は十分な反面、ヨーロッパでの指導経験が皆無。そのため、当初はカタルーニャのメディアやファンにとって未知数な存在だった。
その後、徐々に好印象を与えはじめている彼は、何年も前から補強の必要性が訴えられているセンターバック(CB)の獲得を急がず、少なくとも12月までは現有戦力を信頼することを選んだ。
マルティーノは新たに外から補強するより、リハビリ中のカルレス・プジョルが復帰するのを待つ方が得策だと考えている。それに彼は、プレシーズン中に18歳のカメルーン人CB、バニャックを積極的に試していた。
CB以外にも、バルセロナではチアゴ・アルカンタラ(現バイエルン)、ジェラール・デウロフェウ(現エバートン)、ダビド・ビジャ(現アトレティコ・マドリー)らが抜け、ダニエウ・アウベスにも衰えが見られるチームの選手層に疑いの目が向けられている。今季限りでビクトル・バルデスの退団が決まっているGKもそうだ。
オフにW杯を控える重要なシーズン
メッシやクリスティアーノ・ロナウド、アンドレス・イニエスタ、シャビ・エルナンデス、イスコといったスター選手たちは、貧富の差が広がり続けるリーガにおいて、引き続きわれわれがスペクタクルとしてのフットボールを堪能できることを保証してくれる。
問題が山積みではあるが、それでもリーガは魅力的なリーグであり続けているのだ。
<了>
(翻訳:工藤拓)