佐々木監督「意地を見せて3連覇目指す」=東アジアカップ メンバー発表会見

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東アジアカップに臨む23名を発表したなでしこジャパンの佐々木監督 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は10日、都内のJFAハウスで会見を開き、20日に開幕する東アジアカップ2013(韓国)に臨む、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバー23名を発表した。

 6月の欧州遠征に参加したメンバーからは宮間あや、大儀見優季、川澄奈穂美らが選ばれ、左足付け根を痛めて欧州遠征に帯同しなかった澤穂希は外れた。また、アルビレックス新潟レディースの北原佳奈が代表初選出された。

 佐々木則夫監督は「現状のベストメンバーを選んだら平均身長が高くなった。チーム一丸となって3連覇を目指したい」とメンバー選考について語り、澤の選出を見送ったことについては「けがの影響で呼ばなかったが、これが国際大会なら呼んでいた。クラブとの双方の関係で最も良い選択をし、今回は見送った」と不選出の理由を説明した。

 なでしこジャパンは、20日に中国との初戦を迎え、25日に北朝鮮、27日に韓国と対戦する。

平均身長は過去にないくらいの高さ

登壇者:
佐々木則夫(日本女子代表監督)

 東アジアカップに際して23名をエントリーさせて頂きました。6月に鳥栖でキャンプをして、その後、欧州遠征で強化を図ってきました。その中で欧州遠征のメンバーを中心に、今回はその他のメンバーも追加しました。平均身長が高くなっていますが、これは意図的なものではなく、現状のベストメンバーを選出したら、自然と平均身長が高くなりました。過去にはないくらいの高さになったと思います。
 
 この大会は僕が率いて2連覇をしていますが、それはアジアの中でなでしこジャパンの質が上がった結果だと思います。東アジアカップで初めて優勝したときは、これからのなでしこジャパンの兆しとなるような、勇気をもらった大会でした。その上で2連覇し、今回は非常に暑い中での試合となりますが、チーム一丸となって3連覇を目指したいと思います。

<メンバー発表>

GK:
福元美穂(岡山湯郷Belle)、海堀あゆみ(INAC神戸レオネッサ)、山根恵里奈(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

DF:
岩清水梓(日テレ・ベレーザ)、有吉佐織(日テレ・ベレーザ)、田中明日菜(1.FFCフランクフルト/ドイツ)、宇津木瑠美(モンペリエHSC/フランス)、北原佳奈(アルビレックス新潟レディース)、坂井優紀(ベガルタ仙台レディース)、長船加奈(ベガルタ仙台レディース)、熊谷紗希(オリンピック・リヨン/フランス)

MF:
安藤梢(1.FFCフランクフルト/ドイツ)、宮間あや(岡山湯郷Belle)、川澄奈穂美(INAC神戸レオネッサ)、上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟レディース)、阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)、中島依美(INAC神戸レオネッサ)

FW:
丸山桂里奈(スペランツァFC大阪高槻)、大野忍(ASエルフェン狭山FC)、大儀見優季(チェルシーFC/イングランド)、菅澤優衣香(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)、高瀬愛実(INAC神戸レオネッサ)、岩渕真奈(TGS1899ホッフェンハイム/ドイツ)

澤の選出外は故障のリスクを避けた

――澤が外れている理由と、初選出の北原の評価は?

 澤は、帰国後もチームのトレーナーとコンタクトしながら現状の把握をしていました。本人もこの大会への思いが強く、ニュージーランド戦後に離脱した後もトレーナーと準備をしてくれていました。昨日の時点でチーム内での合同練習に合流するのが厳しい状態だった。これが世界大会であれば、代表の場で調整をして、最後の試合には出られるぐらいの状態にはきている。しかし、今回の場合はチームで練習に合流していない状態であり、そのような措置を取って、故障が起きることもないとは言えません。そうなるリスクも踏まえ、チームと代表の双方のバランスを考えた結果、今回は選出を見送り9月の大会に向けて整えてほしいと判断しました。

 北原は長身であり、学生時代にボランチ、新潟でセンターバックを経験したことで、守備の弱い部分が改善されました。彼女はボランチをやっていたこともあり、パスのフィードも正確性が高い。最近は守備の対応も良くなっていたので、ぜひチャンスを与えてみたいと言うことで選出しました。

――欧州遠征を終え、今後はアジアのチームと戦うが、戦い方で変わる部分は?

 ニュージーランド、イングランド、ドイツとの戦いを終えて、その中で課題もたくさん見つかりました。できたこと、できなかったことがあるが、それらを全て財産にしていかなければならないと思っています。今回の東アジアカップでは隣国との戦いになり、勝負という面ではさらに厳しい。ましてや、私たちはチャンピオンのエンブレムを付けて戦うのだから、他のチームは「日本を倒して」という意識がより強いと思います。そういう非常に厳しい中で、自分たちがやろうとしていることの質だったり、どれだけ勝負強くやれるかというところが問われます。また、時間も夕方に開催されることが多く、温度や湿度が高く環境も厳しい。その中で、私たちはチャンピオンとしての意地を見せて、3連覇を目指していきたい。

――欧州遠征を経て、乗り越えなければならない壁を感じたと思うが、どういったものか?

 欧米にしても、韓国、中国にしてもボールを動かす質は非常に上がってきている。その中で、われわれは連動して良い局面でボールを奪うことができるのかというところです。以前と同じレベルではできているが、そのレベルでは効果的にはボールを奪えない状態になっているので、その状態で効果的にボールを奪うために質を上げることが課題です。あとは、日本はポゼッションサッカーをよくやりますが、それ以外の部分。もっと早いショートカウンターであったり、ボールを動かして時間とスペースができたら前に行く意識と、縦への仕掛けの精度を上げていかなければならない。相手も連動した守備をしてくる中で、あまりにも不用意なボールの動かし方をしていると、奪われてしまうことから、もっと前への意識と精度を上げないといけないと思います。

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