体重の壁を破った男たち 史上2人目の「6冠」を狙うパッキャオ 〜複数階級制覇の記録〜

WOWOW

パッキャオ(中央)は2人目の6階級制覇に向け11.13米国でマルガリート戦に臨む 【(C)NAOKI FUKUDA】

 11月13日(日本時間14日)、米国テキサス州アーリントンのカウボーイズ・スタジアムでマニー・パッキャオ(フィリピン)対アントニオ・マルガリート(メキシコ)のWBC世界スーパー・ウェルター級(約69.8キロ以下)王座決定戦が行われる。
 すでに5階級で王座を手にしている現WBO世界ウェルター級王者パッキャオが勝てば、史上2人目の6階級制覇となる。

50年代までは最多でも3階級制覇

レナード、ハーンズらとともに5階級制覇の記録を持つメイウェザー 【(C)NAOKI FUKUDA】

 屈強な男たちが体重無差別で戦っていたボクシングに、「より公平な条件のもとで戦うべき」という考えから階級制が導入され、現在のようなチャンピオン制度が定着したのは120年以上も前のこと。最初は単純に重いヘビー級と軽いライト級に分けられ、次いで中間のミドル級がつくられたという歴史がある。

 現在は最軽量のミニマム級(105ポンド=約47.6キロ以下)から最重量のヘビー級(200ポンド=約90.7キロ以上無制限)まで、17階級に区分されている。
 1950年代までは階級が10に満たなかったため最多でも3階級制覇に留まっていたが、以後、クラスの増設にともなって記録も急上昇した。以下は2010年9月30日時点の複数階級制覇記録である。

(1)6階級=オスカー・デラ・ホーヤ(米国)
(2)5階級=シュガー・レイ・レナード(米国)、トーマス・ハーンズ(米国)、フロイド・メイウェザー(米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)
(3)4階級=ロベルト・デュラン(パナマ)、パーネル・ウィテカー(米国)、レオ・ガメス(ベネズエラ)、ロイ・ジョーンズ(米国)

規格外のパッキャオ、歴史を刻むか

史上初の6階級制覇を成し遂げたデラホーヤ 【(C)NAOKI FUKUDA】

 上記9人の記録は、いずれも1988年以降に達成されたものである。
 11月のマルガリート戦でパッキャオが勝てばデラ・ホーヤに次いで史上2人目の快挙となるわけだが、デラ・ホーヤが10年で13キロ増量したのに対し、パッキャオは12年で19キロの増量となる。これはジョーンズの15キロ、ハーンズやレナードの13キロをも大きく上回る。パッキャオの戴冠がフライ級(50.8キロ以下)から始まっていることを考えると驚異的な数字といえよう。

 さらに加えるならば、デラ・ホーヤはじめ他選手の多くが1階級ずつ順に上げていったのに対し、パッキャオは4つの“飛び級”をしている。よって現時点でも事実上の9階級制覇と解釈することもできるわけだ。身長169センチの31歳は、あらゆる面で規格外の「スーパーマン」といえる。
 11月13日にどんな歴史が刻まれるのか、その日を楽しみに待ちたい。

 WOWOWでは世界が注目するこの一戦を、「エキサイトマッチスペシャル 独占生中継!『マニー・パッキャオvsアントニオ・マルガリート』」として、11月14日(日)午後0時より生中継でお届けする!

Written by ボクシングライター原功

■WOWOW番組情報

<WBA・IBF世界フェザー級王座統一戦>
ユリオルキス・ガンボア(キューバ/WBA世界フェザー級王者)
オルランド・サリド(メキシコ/IBF世界フェザー級王者)

全勝王者ガンボア vs 経験豊富な王者サリド、フェザー級王座統一戦!
10月11日(月・祝)よる8:00

<WBC世界ヘビー級タイトルマッチ>
ビタリ・クリチコ(ウクライナ/WBC世界ヘビー級王者)
シャノン・ブリッグス(米国/元WBO世界ヘビー級王者)

怒涛のビッグマッチ タイムリーオンエア!
クリチコ兄弟の兄ビタリ、元王者ブリッグスを迎え撃つ!
10月18日(月)よる8:00
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