豪州No.1が導いた! ジャガーメイル悲願の盾=天皇賞・春
豪州No.1騎手のウィリアムズに導かれ、ジャガーメイルがGI初制覇! 【スポーツナビ】
騎乗した豪州のクレイグ・ウィリアムズ騎手はJRA・GI初制覇で、外国人騎手が天皇賞・春を制するのは史上初。同馬を管理する堀宣行調教師は3月のGI高松宮記念(キンシャサノキセキ)に続く通算GI2勝目となる。
一方、史上3頭目の連覇を狙った松岡正海騎乗の4番人気マイネルキッツは3/4馬身差及ばず、あと一歩で快挙がスルリ。また、3着には武幸四郎騎乗の16番人気メイショウドンタク(牡4=本田厩舎)が突っ込み、3連単の配当が91万1660円の波乱決着となった。
なお、1番人気に支持された内田博幸騎乗のフォゲッタブル(牡4=池江郎厩舎)はラストの伸び脚を欠き、6着に敗れている。
ウィリアムズ魅せた好騎乗「すべては馬のおかげ」
7万を超す大観衆へ、殊勲のウィリアムズが馬上でガッツポーズ 【スポーツナビ】
だが、晴天に恵まれたこの日、ついに重賞タイトルを奪取。しかも、初の栄冠が140回の歴史を数える古馬伝統のビッグレースなのだからうれしさは倍増だ。
「本当に幸運でした……ファンタスティックだ。すべてはジャガーメイルのおかげ。日本の方から天皇賞はすごく伝統のあるレースだと聞いていましたし、そんなすごいレースを勝てたなんて、本当にうれしく思います」
満点の好騎乗でジャガーメイルをGIホースの仲間入りに導き、また史上初めて天皇賞・春を制した外国人騎手となったクレイグ・ウィリアムズ。オリビエ・ペリエやミルコ・デムーロら陽気な外国人ジョッキーに見られる“喜び爆発”の仕草というよりは、芯からこみ上げてくるうれしさを噛みしめるような表情で、勝利の余韻を語った。
何度も“幸運”“馬が強かった”という謙遜の言葉で勝利の要因を挙げたが、もちろん、豪州ナンバーワンと言われる名手の力が大きかったことは言うまでもない。
「レースに臨む前に、僕自身にできる十分なことをすべてやりました。ジャガーメイルのすべてのレースを何度もビデオで見て、どのポジションが彼に一番合っているのかを考えましたし、京都コースも金曜日に実際に歩いてみました。それに日本のベストジョッキーである岩田(康誠)さんにもコースの乗り方を教えてもらった。そのすべてのことを踏まえて、今回のレースに乗りました」
前年覇者を“力”でねじ伏せた文句なしのV
前年覇者マイネルキッツを真っ向勝負でねじ伏せた! 堂々の勝利だ 【スポーツナビ】
「最初に調教でまたがった時からすごくいい馬だということが伝わってきました。堀調教師も最高に仕上げてくれましたし、今日のジャガーメイルは本当に強かったですね」
早め先頭からの横綱相撲で押し切りを狙う昨年のチャンピオンホース・マイネルキッツ目掛け、緑のターフのど真ん中を一完歩、また一完歩と追い詰める。マイネルキッツも最後の抵抗で踏ん張りを見せたが、脚勢は完全にジャガーメイル。かわしたのはゴール残り100メートルを切ってからとは言え、前年覇者を完ぺきにねじ伏せる、文句なしの勝利だった。
これまでの詰めの甘さを払拭する“変身”。堀調教師はひとえに体質強化が大きな要因であることを明かした。
「デビューが3歳の9月と遅い馬だったように、体質的に弱い面のある馬でした。でも、年を重ねるごとに良くなって、だんだんと強い調教にも耐えられるようになってきましたし、今年はかなり活躍してくれるんじゃないかなと思っていたんです。自分の能力を出せるようになりましたね」