【UFC】強敵撃破で2年以内にタイトル奪取へ 田中路教が描くこの先の計画と野望

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幼心に芽生えた格闘技愛

「UFCファイトナイト・ブラジリア」で激突するヤヒーラと田中 【Zuffa LLC】

 日本時間9月25日(日)開催予定の「UFCファイトナイト・ブラジリア」には、日本の田中路教が登場、敵地でハニ・ヤヒーラ(ブラジル)と拳を交える。

 現在25歳の田中が格闘技に興味を持つようになったのは小学校時代。格闘技ファンだった父親の隣で、K−1やPRIDEのテレビ中継を夢中になって見ているうちに、自分も格闘家になりたいという思いが田中少年の胸の内に芽生えたのだという。小学校5年生の時には、“将来の夢を紙粘土で作ってみよう”という図工の授業で、“リングに立っている自分”という作品を作り上げている。

 中学・高校では部活で柔道に取り組み、高校3年で部活から引退したことを契機に、ネットで検索して見つけた地元横浜のジム(リバーサルジム横浜グランドスラム)に入会し、MMAの練習を始める。プロデビューは日本の修斗。グアムやフィリピンなど海外団体でケージでの試合も経験し、キャリア無敗のまま2014年にUFC入り。現在は石原“夜叉坊”暉仁、中村優作とのユニット、チーム・アルファメール・ジャパン(ユライア・フェイバー主宰のジム、チーム・アルファメールの日本支部との位置づけ)でトレーニングをする一方、国内のいろいろなジムでの出稽古を組み合わせて、レベルアップを図っている。本人のツイッターからは、練習を求めて戦略的かつ軽やかに移動している様子が伝わってくる。

ヤヒーラ戦で大事なのは勝ち方

 ヤヒーラといえば、かつて日本のメジャーマットに出場していたこともあり、日本のMMAファンにとっては認知度の高いベテラン選手だ。ガス欠で死にそうな表情、それほど決定力がありそうにはみえない技、相手を押さえ込むばかりの単調な戦法など、素人目にはどうもさほど強そうにはみえない気がしてならないのだが、それでも最近では廣田瑞人、金原正徳といった試合巧者からきっちりと判定勝ちをもぎ取っているとあって、ちょっとした日本人キラーと言ってもいいのかもしれない。

 そんなヤヒーラの強さについて田中は、「自分が試合で勝つためにやるべきことがよく分かっていて、それをぶれずにやり切る強さがある選手」と評している。そして、そんな強さに対抗するには「こちらも自分の得意なこと、やりたいことをぶれずにやり切るだけ。そうすれば勝てる」と語っている。

 田中は、このヤヒーラ戦については勝つことはもちろん、強い勝ち方をすることで、バンタム級戦線を一気に駆けのぼりたいとの野望を隠そうともしない。「僕にとって今回の試合は、自分がベルトを獲得する準備ができているのかを確認するための試合でもあります。だからこそ試合内容が問われると思っている。ここで強い勝ち方ができれば、この先2年間でタイトル奪取を狙うつもりです。理想的にはドミニク・クルーズ(米国)を倒してベルトを奪いたいんです」

 ブラジルでブラジル人と戦うという、誰しもできれば避けたくなるような状況についても、「アウェーの試合はこれまで何度もやってきているので、特に気にすることはないです。プラスにするもマイナスにするも自分次第、僕はただ楽しむだけ」と意に介していない様子だ。ある意味、ブラジリアのリングに立つ自分の姿など、小学5年生の頃にとっくにイメージ済みなのかもしれない。

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