イチローも不思議?一塁到達タイムの速さ 代打で投ゴロもピッチャーの表情に戸惑い
元同僚も「瞬間に立ち会いたい」
本人は「昨年より速いことは感触的にわかっている」と一塁到達タイムを昨年よりも0.1秒以上縮めているイチロー 【写真は共同】
マリナーズ時代は捕手だったが、その後投手に転身した経緯がある彼は、「あと6本かぁ。フィラデルフィアで打ってくれないかなぁ、ぜひ、その瞬間に立ち会いたいんだ」と懇願するように言ったが、果たしてどうだろう。
6本とはもちろん、イチローの3000本安打までの残り本数だが、この日もイチローはスタメンを外れており、「ちょっと厳しいかな」。出場が代打だけなら、確かに難しい。
仮にフィラデルフィアで行われる、21日、22日の2試合でスタメン出場したとしても簡単な本数ではない。延長に突入して7回ぐらい打席に立てば別だが、その可能性の方が低い。
前日、彼は帰るときにばったりイチローに会い、そのときイチローが、「『早く打ってその先に集中したい』って話していた」そうだが、この起用が続く限り、まだまだ騒ぎが続きそうだ。
今季の一塁到達値は3.85秒前後
ただ、誰よりももどかしいのはイチロー本人だろう。今年の前半戦を終えたとき、状態や感じているものをこう話した。
「いや、(出場)機会が少なすぎてね。そんなの表明することじゃない」
“少なすぎて”にさまざまな思いがにじむが、状態に関しては十分手応えがあるよう。
先日、3安打をマークしたカージナルス戦では、一塁までのタイムが話題となったが、そのときこう話している。
「昨年より速いことは感触的にわかっているんですけど、そんなに違うとはね」
昨年は、球場に備え付けられたビデオカメラから球速や一塁までのスピードをはじき出す『STATCAST』によれば、平均3.98秒でリーグ5位だった。そして今季は3.85秒前後であることが多いという。0.1秒以上も縮まっている。