“投手イチロー”を日本で唯一知る男 高津臣吾が振り返るイチローとの対戦
1996年のオールスター第2戦でマウンドに上がったイチロー。その時のバッターボックスに立った高津・現ヤクルトコーチは何を感じたのか? 【写真は共同】
その対戦からちょうど20年、現在は東京ヤクルトでコーチを務める高津に話を聞いた。オールスターの打席から見えた光景、95年の日本シリーズでの対策、そしてメジャーリーグに舞台を移しての対戦など、イチローとの思い出を語ってくれた。
「1球目を見て『これはスゴい』と」
あの時(1996年オールスター第2戦)は野村監督と仰木監督の間で、オールスター前からそういう話が出て盛り上がっていましたからね。「どうなんだろう?」とは思っていましたけど、まさか僕が当事者というか、打席に立つことになるとは思ってもみませんでした。
──全パが7対3とリードした9回裏、2死からイチロー選手が登板。本来なら松井秀喜選手の打順だったわけですが、野村監督が松井選手と話をした上で交代させました。代打に指名された高津さんとしては「まさか」という思いだったのではないですか?
そうですね。スパイクも脱いでロッカーに行った時に、ベンチから(代打の)声がかかって慌ててスパイクに履き替えたという状況でした。とりあえず飯田(哲也=当時ヤクルト、現福岡ソフトバンクコーチ)のヘルメットとバットを借りてバッターボックスに立ったんですけど、当時広島東洋カープの野村(謙二郎)さんからはその時に「(打席で)ちょっと(後ろに)下がっていたほうがいいんじゃないの?」って言われたぐらいです。まあ、バタバタしてた感じはありました。
──イチロー投手の投球を見た印象はいかがでした?
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