フェデラー、執念の大逆転で4強入り 全英Vへ、思い切った勝負が奏功
先手を奪ったのはチリッチ
フェデラーが大逆転でウィンブルドン準決勝に進出。勝利を決めると両こぶしを高々と突き上げた 【写真:ロイター/アフロ】
34歳フェデラーの死力を尽くした逆転劇だった。第1セットは様子をうかがいながらのゲーム進行。チリッチは武器のビッグサーブを抑え気味に、フェデラーは積極的にネットダッシュを仕掛ける中、最初にチャンスをつかんだのはフェデラーだ。第5ゲーム、40−15のブレーク・チャンス。
しかし、チリッチはビッグサーブでこのピンチを逃れ、きっ抗したスコアのままタイブレークに突入した。今シーズンのチリッチはタイブレークの数字が7勝12敗と良くないが、ここではミニブレーク2本でいきなり5−0とリード、そのまま先手を奪った。
第2セットも、チリッチが第3ゲームを先にブレークすると、深いショットで相手を押し込み、自信に満ちたパワフルなショットでウィナーを重ねた。大会に入ってここまで、ファーストサーブからのポイント獲得率は大会随一を誇り、この試合でも第1セットは95%、第2セットも80%と好調を維持。第3ゲームをブレークしての2セットアップは、ほぼ安全圏に見えた。
壮絶な戦いとなった第4セット
2セットダウンと追い込まれながらも、粘り続けたフェデラー。第4セットの攻防は壮絶な戦いとなった 【写真:ロイター/アフロ】
壮絶な戦いとなったのは第4セットだ。第4ゲーム、フェデラーが15−40から2本のブレークポイントをしのげば、チリッチも第5ゲームの15−40から巻き返し。互いにサービスキープし突入したタイブレークは、今大会の最大の見せ場になった。フェデラーがマッチポイントをしのげば、チリッチもフェデラーが握ったセットポイントを4度もかわしている。第3セット、第4セット、フェデラーはセカンドサーブからのポイント獲得率でチリッチを上回り、第4セットにはセカンドサーブで2本のノータッチエースを奪っている。それだけ思い切って勝負に懸けていた。
ファイナルセットでは、フェデラーが第8ゲームをブレークして逆転し、3時間17分の熱闘に終止符を打った。
準決勝はラオニッチと対戦
また、第2シードの地元アンディ・マリー(イギリス)はジョーウィルフリード・ツォンガをフルセットの末に下し、3年ぶり2度目の優勝に望みをつないだ。男子のもう1試合は、新鋭のルーカス・プイユ(ともにフランス)を退けた第10シードのトマーシュ・ベルディハ(チェコ)が勝ち上がった。
(文:武田薫)
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