【スターダム】イオが岩谷との激闘制し赤いベルトV4 宝城カイリは悲願の白いベルト初戴冠
紫雷イオ(右)が岩谷麻優との激闘を制し、赤いベルトV4に成功 【横田修平】
メインイベントでは同団体の至宝、ワールド・オブ・スターダム王座の赤いベルトをかけて王者・紫雷イオと、4月に行われたシングルNo.1を決める1デイトーナメント「シンデレラ・トーナメント」を連覇した岩谷麻優が対戦。試合は激しく感情がぶつかり合う戦いとなったが、21分54秒、イオがムーンサルト・プレスからの片エビ固めで岩谷をしとめ、4度目の防衛に成功した。
完全決着戦となる時間無制限に
イオは岩谷のドラゴンを回避し、逆にジャーマンで場外マットにたたきつけた 【横田修平】
スターダムの頂上決戦に対して会場の期待感が高まる中、両者がリングに上がると、岩谷がいきなりマイクを持つ。「この2人だと30分じゃ短い。完全決着をつけたいので、時間無制限、大丈夫ですか?」と時間切れ引き分けなしの戦いを要求。これをイオが承諾し、時間無制限での戦いとなった。
ゴングが鳴ってからもお互いにらみ合い、頭をぶつけ合うと、そこからロックアップ、バックの取り合い、蹴り合い、エルボー合戦と続くが、イオは岩谷の髪をつかんでのヘアーホイップと、ラフな戦いも見せる。それに対し岩谷も、イオの背中へ重い蹴りを何発も打ち込む。
イオがミサイルキックで岩谷を場外に落とすと、すかさずトペ・スイシーダ。さらにコーナー最上段からのケプラーダを狙おうとするも、これは岩谷が立ち上がってイオをコーナーから落とすと、逆に最上段からダイビングボディプレス。その後には場外でのドラゴンスープレックスを狙うが、これはイオが体を入れ替え、逆にジャーマンスープレックスで投げた。
タッグパートナーでお互いの手の内を知っている2人だが、岩谷がハイキック、トラースキック、水面蹴りと連続で出すがこれをイオがすべてかわし、逆に足を取ってのドラゴンスクリュー。これで岩谷が右足を痛めると、イオは容赦なくその足を狙っていく。
スープレックス合戦で上回ったイオが勝利
最後はムーンサルトプレスで終止符を打った 【横田修平】
イオは肩車の状態からジャーマンに持ち込むクロイツラスのような形で岩谷を投げると、テキサスクローバー、さらにはツームストンドライバーを決め、ここでフィニッシュを狙うためムーンサルトプレスを繰り出すが、これは岩谷が読みきり逃げる。逆にエプロンサイドでの攻防の中で、岩谷がこの日最初のドラゴンスープレックスを決めると、イオはそのまま場外に落ち、フラフラの状態に。なんとかカウント19でリングに上がったが、ここが決め所と岩谷がもう一度ドラゴンを狙うが、これをイオが何とか振りほどこうとするが、ならばとジャーマンで投げる。さらにコーナーに上がってからフブキ・ラナを狙うが、これはイオが体勢を崩して未完成となると、すぐさまコーナー最上段からフロッグスプラッシュを決める。さらに2度目のドラゴンスープレックスをリング中央で決めるが、これはイオがなんとかカウント2で返す。
岩谷はとどめとばかりに二段式ドラゴンスープレックスを狙うが、ここでイオが息を吹き返し、逆に二段式タイガースープレックスを決めると、さらに腕をロックしてのジャーマン。そしてすぐさまコーナーに上がりムーンサルトプレスを決め、熱戦に終止符を打った。
大江戸隊が挑戦表明「客の気持ちになれ!」
試合後は大江戸隊の木村響子、花月がリングに上がり、次回後楽園でのタッグ王座戦を要求 【横田修平】
岩谷も「今日はほんのちょっとの差、覚悟の差で負けましたけど、次は絶対取る。必ずその赤いベルトを取るので、私が次に挑戦する時まで首を長くして待っていてください」と再戦を予告して、イオと抱き合った。
2人が抱擁しているところに、大江戸隊の木村響子と花月が登場。木村は「おいおいおい、サンダーロック。冷静になって考えろ。お前らが死闘を尽くせば尽くすほど、お客さんがどっちを応援すればいいのか悩むだろ! 客の気持ちになれ!」と、ある意味、正論とも取れる挑発。続けて花月は「スターダムにはベルトがいっぱいあるよな? まずは岩谷! お前のハイスピード。そして……(アーティスト・オブ・スターダムという単語が出ず)3人のやつ! そしてもう1つ、サンダーロックの持っているベルト。お前らが全部巻いてんだろ。ふざけんな!」と、宝城を含めた3人がベルトを独占していることに文句をつける。
そして木村と花月は、まずタッグのベルトを狙うと伝えると、その場でロッシー小川社長からの承諾を得て、次回6.16後楽園大会でのゴッデス・オブ・スターダム戦を決定させた。
イオは「やかましい奴ら」と大江戸隊の対戦要求にイラっとしたところも見せたが、それでも「よくびびんないで来たなと。敵がいないよりは、チャンピオンベルトを狙われる方がいいので、それはありがたいこと」と話し、次回タッグの防衛戦も臨むところであると意気込んだ。