【スターダム】イオが岩谷との激闘制し赤いベルトV4 宝城カイリは悲願の白いベルト初戴冠

スポーツナビ

6度目の挑戦にしてベルト奪取

宝城はダイビングエルボードロップでサンタナを破り、悲願の白いベルト奪取 【横田修平】

 セミファイナルではワンダー・オブ・スターダムの白いベルトをかけて、王者サンタナ・ギャレットと宝城カイリが対戦。宝城は白いベルト6度目の挑戦にして王者を破り、悲願の初戴冠となった。

 試合前から「ラストチャンス」と話していた宝城。スターダム入団当初から「憧れの愛川ゆず季さんが巻いていたベルトを巻きたい」と明言していたが、その夢はなかなか叶わずにいた。さらに対戦相手のサンタナからは勝利を奪えず、「苦手だわ」と言っていたが、それでも白いベルト奪取という目標に向けて、全力で天敵に向かっていった。

 宝城は序盤から気合のこもったエルボーやダブルチョップを繰り出していくが、サンタナはアームホイップで宝城を場外に落とし、すかさずトペ・スイシーダ。さらにエプロンに座って羽根折り腕固め。宝城のエルボーを警戒してか、右腕を狙っていく。

 宝城は気合の空回りからか、ロープを使ってコーナーに飛び乗ろうとするも、トップでバランスを崩してそのまま場外へ大ジャンプを見せるというシーンもあったが、サンタナの連続攻撃をスピアーで逆転し、イカリで捉える。さらにマリンスパイク(コーナー上でのフットスタンプ)、スライディングDなどでたたみかけ、勝負をかけたダイビング・エルボー・ドロップを狙うが、これはサンタナが足を立てて、不発となってしまう。

 逆にここからサンタナが脇固めで宝城の腕を狙うと、続けてDDT、シャイニングスター・プレス(ロープの反動を使ったムーンサルト・プレス)を決めるが、宝城が何とか返す。回転エビ固めもロープ際で宝城の足が届いてしまいフィニッシュが決まらないと、宝城の裏拳がカウンターで炸裂。さらにもう一発裏拳を決めてからフィッシャーマンズスープレックスで投げ、さらにボディースラムで投げてから、今度はダイビング・エルボー・ドロップが決まり、3カウントを奪った。

事務所の先輩・船越英一郎さんからメッセージ

「自分の色に染めていきたい」と防衛ロードに意欲を見せた 【横田修平】

 死力を尽くした宝城は「遠かった〜。白いベルトはデビューから目指していて、5度失敗をして遠かったけど、やっと巻くことができました。これだけ苦労して巻いたベルトだから、何があっても離しません」とリング上でコメント。さらに「ベルトは生きていると思っているんですけど、(ベルトには)プロレスの神様が宿っています。このチャンスを生かし、赤いベルト以上の価値に上げたいと思います」と白いベルトを自分色に染めて、価値を高めていきたいと話した。

 今後の防衛ロードでは「希望としては、後輩と白いベルトを戦っていきたい。何故かと言うと、私は愛川ゆず季さんに挑戦しているのですが、その時、経験をするということが、すごく大事だと思ったんです。やっぱりプレッシャーある試合を後輩はまだシングルでやっていないと思うので、そういったプレッシャーで戦う中で強くなっていくと思うので、私は今度はそれを経験をさせたい。もちろん私が防衛していきたいと思っています」と後輩の挑戦を望んでいる。ただ海外選手も多くスターダムに参戦していることから、「どんな選手にも自分のプロレスを貫いて勝てる選手になっていきたい」と話した。

 ここでロッシー小川社長がベルトを戴冠した宝城にメッセージが届いていると話すと、「新チャンピオンの活躍にますます期待しています。次回は会場で応援したいと思います。船越英一郎」と、事務所の大先輩である役者の船越さんからの言葉を読み上げた。これに宝城は「びっくりした。ゆず季さんだと思った」と一瞬苦笑したが、それでも「すごいうれしいです。船越さんは一度、焼肉にも連れて行って頂いたので、次回自分が防衛戦をやる時は、船越さんに試合を見てもらいたいです。ありがとうございます」と感謝を示した。
■スターダム「Gold May2016」
5月15日(日)東京・後楽園ホール 観衆910人


<ワールド・オブ・スターダム選手権>
[王者]紫雷イオ
(21分54秒 ムーンサルト・プレス→片エビ固め)
[挑戦者]岩谷麻優
※第7代王者が4度目の防衛に成功

<ワンダー・オブ・スターダム選手権>
[王者]●サンタナ・ギャレット
(14分31秒 ダイビング・エルボードロップ→片エビ固め)
[挑戦者]○宝城カイリ
※第7代王者は10度目の防衛に失敗。宝城が第8代王者となる

<ワールド・ワイド・モンスター・バトル>
アルファ・フィーメル
(9分22秒 オメガスラム→片エビ固め)
クイーン・マヤ

先日のシンデレラトーナメントで因縁が残った外国人2人による欧州モンスターバトル。女子とは思えないぶつかりあいは、アルファがマヤをオメガスラムで捉えて3カウントを奪い、因縁に決着をつけた。

<ルーキーズvs大江戸隊 6人タッグマッチ>
木村響子、○花月、ディオサ・アテネア
(14分43秒 えびす落とし→片エビ固め)
渡辺桃、ジャングル叫女、●美邑弘海

ルーキーズの3人が大江戸隊と対戦。序盤から大江戸隊が圧倒するが、ルーキーズも連携を見せ奮闘を見せる。しかし、木村がレフェリーの股間を蹴って一時不能になっている間にラッシュをかけ、最後は花月が美邑をえびす落としで仕留めた。

<チャレンジマッチ>
○松本浩代
(6分35秒 アルゼンチン・バックブリーカー)
●万喜なつみ

アクトレス・ガールズの万喜が“レディー・ゴジラ”松本に挑戦。試合は松本が圧倒し、最後はアルゼンチン・バックブリーカーでとらえギブアップを奪う。松本は大ブーイングを浴びたが、「ぽいちゃんポーズ」を最終的にノリノリで真似をした。

<オープニング6人タッグマッチ>
○スターライト・キッド、加藤悠、仁科鋭美
(7分30秒 スタンディング・ムーンサルトプレス→片エビ固め)
●あずみ、米山香織、アレックス・リー

あずみ軍団とスターライト・キッドたちの対戦。試合はキッドがあずみから勝利をつかんだが、試合後、「一緒にタッグリーグに出ましょう」とあずみを誘うキッドに対し、「結構です」の一言で断るあずみ。変わりに「新人トーナメントに出たい」ということをリング上で告げ、詳細はロッシー小川社長にLINEでメッセージを送ると話した

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