【スターダム】岩谷麻優がトーナメント2連覇! 1期生・美闘陽子が復帰を宣言

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美邑、マヤを降して決勝へ

岩谷麻優がシンデレラ・トーナメント2連覇を達成 【横田修平】

 女子プロレス団体スターダムの1デイ・トーナメント「シンデレラ・トーナメント2016」が29日、東京・後楽園ホールで開催された。今年で2回目となるシングルNO.1を決める大会。トーナメントを制したのは、決勝で松本浩代を破った岩谷麻優となった。

1回戦の美邑戦では貫禄の完勝となった 【横田修平】

 岩谷は1回戦で美邑弘海と対戦。美邑が不意をついた丸め込みで前回覇者から金星を狙おうとするが、岩谷は回避。逆にノーザンライトスープレックスからトラースキック、ダイビングフットスタンプとたたみかけ、最後はフロッグスプラッシュで仕留め、1回戦を突破した。

 2回戦では、アルファ・フィーメルとの“巨体対決”を制したクイーン・マヤと対戦。マヤの高身長から繰り出されるチョーク・スラムでピンチを迎える場面もあったが、逆にそのチョーク・スラムをするりと避けたところから横入り式エビ固めで丸め込み、準決勝へ。準決勝の相手となる予定だった宝城カイリとサンタナ・ギャレットの試合が10分時間切れ引き分けとなったことで、ルール上、両者失格。これで2年連続の決勝へと駒を進めた岩谷は、決勝で松本と一騎打ちをすることになる。

イオへ挑戦「自分は赤いベルトが欲しい」

エプロン際の攻防から松本をドロップキックで場外へ落とし、オーバーザトップロープで決着をつけた 【横田修平】

 試合は序盤、岩谷が得意のドラゴンスープレックスで投げるなど、一気に勝負を決めようとするが、これを松本が耐え切る。逆に松本は場外戦へと引きずり出すと、岩谷を花道ステージ上でバックブリーカー、ボディースラム、さらに客席へと放り投げるなど岩谷を追い込む。リングに戻ってからも松本のラリアット、ライガーボム、アルゼンチンバックブリーカーなどでたたみこみ、さらにロープ際でラリアットを繰り出すと、岩谷はあやうくオーバーザトップロープに落とされそうになる。しかしここで耐えた岩谷は松本とのエプロンでの攻防を制し、最後はエプロンに立っていた松本へドロップキックを食らわすと、松本がそのまま場外へ落ち、トーナメント2連覇を達成した。

岩谷はイオが持つ赤いベルトへ挑戦表明。次回後楽園大会で決戦へ 【横田修平】

 松本との激闘を制した岩谷は、プレゼンターの愛川ゆず季さんから優勝者ドレスを渡され、着替えてから再びリングに戻る。そして、マイクを握ると「何を言おうか、分からないのだけど一言言わせてください」と前置きをしてから、「紫雷イオ!」と叫び、ワールド・オブ・スターダムの赤いベルトを持つイオをリングに呼び込む。そして「普段はサンダーロックとしてタッグを組んでいて、本当に心強い、最高のパートナーです。でも、自分は赤いベルトが欲しいです。だから5月15日、後楽園大会でベルトに挑戦させて下さい」と挑戦表明。

 これに対しイオは「挑戦、受けるしかないでしょ。5月15日、ワールド王座の挑戦受けます」と受諾。そして「たった1日で手に入れたトーナメント覇者の称号と、何十試合とこなしているベルトを同じ価値だと思わないで下さい。本気でこない限り、骨をへし折るよ。完全決着をつけましょう」と、タッグパートナーとしての馴れ合いの戦いではなく、赤いベルトの絶対王者と、トーナメント覇者の挑戦者として、真っ向勝負の戦いをしようと誓った。

宝城は白いベルトに再挑戦

宝城カイリはサンタナ・ギャレットが持つ白いベルトに再挑戦する 【横田修平】

 この2人の間に割って入ったのが宝城カイリ。宝城は2回戦で白いベルト、ワンダー・オブ・スターダム王者のサンタナ・ギャレットと10分時間切れで準決勝に進むことができなかったが、イオからマイクを奪うと「私もドレスを着たかったー!」と、ややKYな発言で場の空気を和ます。さらに「今日、私は負けてないんだけど……、サンタナ・ギャレット、出てこいや!」とサンタナを呼び込む。

 そして「(サンタナは)すごい苦手だ。でも私はこれぐらいでへし折れる選手じゃない。サンタナ、私と白いベルトをかけて、もう1回やって」と再戦を要求と同時に、シンデレラ・ドレスと一緒に岩谷に渡されていたブーケを取って、それを「ブーケ・トス」する。しかしサンタナがこれに反応できず、ブーケは無残にもリング上に。でもこれじゃ成り立たないともう一度投げると、今度はちゃんとキャッチし、宝城が「ワンモア チャレンジ プリーズ」とカタコトの英語で挑戦を表明。これに対しサンタナも「ワンダー・オブ・スターダムのベルトが欲しいの? 私と試合をしたいの? OK。じゃあ、試合をしよう」と挑戦を受託。宝城のベルト獲得への貪欲さが実り、再戦が確実となった。

美闘陽子が復帰へ「もう一度、プロレスラーに戻りたい」

スターダム1期生・美闘陽子が復帰を宣言 【横田修平】

 この後、岩谷がいったん大会を閉めようとしたが、ここでプレゼンターを務めた愛川ゆず季さんがマイクを持ち「一言、しゃべらせて下さい。(優勝した岩谷に向かい)2年連続、優勝おめでとうございます」とトーナメント覇者を賞賛。その後「今日はみなさんに紹介したい人がいるんです。私にとっても縁がある人です」と話すと、花道の入り口へ注目を向ける。

 するとスーツ姿の美闘陽子が登場。会場からどよめきの声が起こるとリングに上がり「お久しぶりです。美闘陽子です。4年前に何も言えずにリングから去りました。ですが、美闘陽子、もう一度、プロレスラーに戻りたいです。本当に突然なんですけど、スターダムでプロレスをやらして下さい」と復帰を宣言。リングにいた岩谷はとまどいながらもマイクを握ると「美闘さんがいなくなって4年ですか? 長かったです。その間にいろいろありました。でも美闘さんがいない間も、自分はスターダムを引っ張ってきたつもりです。とりあえず、お帰りなさい」と、目に涙を浮かべながらまずは復帰を歓迎。

 さらに紫雷イオも続けてマイクを握り「美闘さん、お久しぶりです。だいぶ雰囲気が変わったけど、華がある感じは変わらないですね。リスクがある中でリングに上がりたいというのは、喜ばしいことです。けどね、美闘さん。美闘さんがいた頃と、リングの景色は変わりました。生き残るのは厳しいよ。その覚悟、信じています」と、厳しいながらも復帰へのエールを送った。

 大会後、記者の取材に応じた美闘は「いろいろあったのですが、年の節目、もう29歳になってしまったので、中途半端にリングを降りてしまったことに心残りがあって、やっぱりそこはリングに戻りたいなと思って、もう一度プロレスをやりたいなと思いました」と復帰の理由を語る。もともと頚椎や腰のけがで引退となり、その故障箇所は「車に乗るのも、電車に乗るのも厳しいということがありました。(けがの状態は)完全に戻っていないので怖い部分はあるのですが、やるからにはしっかり鍛え直してやっていきたい」と覚悟を持ってリングに上ると話した。復帰時期については後日行われる会見で発表されるが、再びスターダムの主軸に戻るべく、完全復帰を目指す。
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