セグルト「結果がすべてを語っている」 試合後、アフガニスタン代表監督会見
試合後、アフガニスタンのセグルト監督は「結果がすべてを語っている」とコメント 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
日本はこの試合で4−4−2の新布陣を採用し、終始アフガニスタンゴールに迫り続けた。序盤は攻めあぐねる時間が続いたものの、前半43分に岡崎慎司が先制点を挙げると、後半には13分に清武弘嗣のゴール、18分にオウンゴールで加点。さらに29分にはCKから吉田麻也がヘディングを決め、33分には途中出場したハーフナー・マイクのアシストから金崎夢生が押し込んでゴールラッシュを締めくくった。
試合後、アフガニスタン代表のペタル・セグルト監督は、「結果がすべてを語っている」と話し、「日本はわれわれとはまったくレベルが違っていて、最初の1分でチャンスがないことを悟った」と完敗を認めていた。
敗北を通じていつか勝者になる
日本は組織的で良い戦いをして、ボールポゼッションでも優れていた。ハリルホジッチ監督は、良い指導者だと思うし、直接「おめでとう」と伝えた。私としては、今回の経験を今後に生かしていきたい。ここまで5人の選手がイエローカードをもらっていたので、何人かをベンチに下げていた。そして選手には「できるだけ警告を受けないように」と伝えていた。というのも、来週(29日)のシンガポール戦こそが、われわれにとって非常に重要な試合となるからだ。今日の試合について批判するのなら、チームではなく私を批判してほしい。私には選手を守る責任がある。この敗北は認めるが、選手は全力で戦っていたので、彼らではなく私を批判してほしい。私としては、将来に明るい希望を持っているが、起こったことについては私が責任をもたないといけない。
日本はとても素晴らしい国で、私たちを素晴らしくもてなしてくれた。おかげで安心してプレーすることができた。すべてがパーフェクトだった。ただし、私たちから5点をもぎとったことを除いては(笑)。皆さんは良い人たちだし、日本に来るといつも非常に親しい時間を過ごすことができて、とてもうれしく思う。ただし0−5で負けたことは、今後どこかでしっかり借りを返せるようにしたい。皆さんは勝利に相応しいチームだし、選手には「サッカーには負けることもある」ということをしっかり伝えないといけない。敗北を通じていつか勝者になる。この教訓を生かしたい。繰り返しになるが、日本に来て唯一、気にいらなかったのは大差で負けたことだ。
サッカーは人々に希望をもたらす
すべての試合が異なる。シンガポール戦は、まったく違う試合になるだろう。日本はわれわれとはまったくレベルが違っていて、最初の1分でチャンスがないことを悟った。優れたチームでスピードもあり、いつも一歩先を行っていた。シンガポールに対しては、勝つか負けるか、オールオアナッシングで戦わなければならない。勝てば、アフガニスタンサッカー史上初めて、アジアカップの3次予選に進むことができる。それがかなうように、全力を尽くして頑張る。30年前の日本は、今ほど強くはなかったはずだ。われわれはまだ学ぶ過程にあり、今日の敗戦からも多いに学びたいと思う。
──アフガニスタンが厳しい状況の中で、チームを作ることについてコメントを。(湯浅健二/フリーランス)
今日、0−5で負けたことは、非常に残念なことだ。ただ、あなたがおっしゃるとおりアフガニスタンは極めて厳しい状況にある。アフガニスタンは、サッカーができるような状況ではない。それだけに、サッカーは人々に希望をもたらす。0−5で負けるのは辛いことだが、現状では1年のうち11カ月は練習ができず、できるのはわずかに1カ月。おそらく日本はその逆だろう。そういう中で、スポーツは平和をもたらすという重要な役割を担っているし、それが私のミッションだと思っている。
アフガニスタン代表の監督になったとき、「このチームが必ず勝つという成功は約束できないが、サッカーを通じて国民がひとつになるための助けになりたい」と申し上げた。11カ月、国内では練習ができない。37年間の辛い内戦の繰り返しによって、ドイツなどで欧州で暮らしている選手もいる。チームが負けたら私の責任だが、勝てば選手のお手柄だ。今日は大差で負けてしまったが、直近の試合では5連勝した。サッカーが平和をもたらしてくれることを願っている。この次、対戦するときは0−5でたたくようなことはしないでくれ(笑)。
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