ハリルホジッチ「アグレッシブさが出た」 W杯アジア予選 アフガニスタン戦後会見

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アフガニスタンに5−0で勝利。試合後、ハリルホジッチ監督は選手たちのチームスピリットとアグレッシブさをたたえた 【写真:ロイター/アフロ】

 サッカー日本代表は24日、さいたまスタジアム2002でアフガニスタン代表とのワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップUAE2019予選に臨み、5−0で勝利した。日本はこの試合で4−4−2の新布陣を採用し、終始アフガニスタンゴールに迫り続けた。序盤は攻めあぐねる時間が続いたものの、前半43分に岡崎慎司が先制点を挙げると、後半には13分に清武弘嗣のゴール、18分にオウンゴールで加点。さらに29分にはCKから吉田麻也がヘディングを決め、33分には途中出場したハーフナー・マイクのアシストから金崎夢生が押し込んでゴールラッシュを締めくくった。

 試合後、日本のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「評価したいのは、チームスピリットが素晴らしかったことだ。このようなアグレッシブさを私は求めていた」と選手たちを評価。「W杯予選の厳しいなかで、オプションを試すことができた」とこの試合の収穫を挙げた。

 また、元オランダ代表のヨハン・クライフ氏が死去したことについても、「彼は素晴らしいプレーヤーであり、クリエーターであった。現代フットボールにさまざまなものをもたらしてくれた」とコメントを残した。

 日本は勝ち点を19に伸ばし今予選のグループ首位をキープ。29日には埼玉スタジアムでグループ2位のシリア代表と対戦する。

オプションを試すことができた

アフガニスタン戦で新しいシステムや選手を試しながら、本田圭佑(左)ら合流が遅れた選手を休ませることもできた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 美しい勝利だった。(選手は)本当に勇敢に戦い、私が要求したアグレッシブさを出してくれた。試合の入りはパスで慌てた部分があった。ボールは速かったし、滑っていた。そして選手たちがうまくやろうとし過ぎていた。そのために、パスや判断で正確さを欠いてしまった。アフガニスタンも、かなり引いてしっかり守備をしていたため、われわれも仕留めるところがうまくいかなかった。GK(オバイス・アジジ)も何回か良いセーブをした。

 私が今日、評価したいのは、チームスピリットが素晴らしかったことだ。このようなアグレッシブさを私は求めていた。相手はわれわれの16メートル(ペナルティーエリア)に入ってくることができなかった。FKは2〜3回は避けることができたが、守備のところは全員がうまくやってくれた。初めてこのオーガナイズを試したし、新しい選手にもチャンスを与えることで何人かの選手を休ませることができた。選手には、この勝利にブラボーと言った。

 サポーターの皆さんも、この勝利に喜んでくれることを期待したい。これから2次予選、最後の試合(29日のシリア戦)の準備をしないといけない。さらに厳しい相手になるので、最後の試合は決勝の気持ちでやらないといけない。最後の試合を勝利するためのトライをしたい。そして、かなり大きな目的を用意しているが、まずは勝利と失点をしないことを目指したい。

──5点目のシーンについて、アシストしたハーフナーと決めた金崎の評価は?

 マイクを使うときは 空中戦と頭で折り返すという、彼の長所を生かすことを考えた。日本代表はここ数年、このようなプレーを習慣化していなかった。彼に向けてのセンタリングを多くしたが、これはオプションだった。W杯予選の厳しいなかで、こういうオプションを試すことができた。ツートップを使うときは、1人がパス、1人が点を取るという補完関係も必要だ。今日はとにかく、チームスピリットが素晴らしかった。たくさんの喜びもあったし、野心があったし、たくさん要求したアグレッシブさが出た。森重(真人)、吉田(麻也)、清武(弘嗣)、(香川)真司とみんなそうだ。それもまた、われわれにとって新しいことだった。

 ムウについては新しい選手だが、彼の戦う姿勢や存在感、よくボールを呼び込む動きをしてくれている。アカデミックなゴールではなかったが、それでも点を取ってくれたのはうれしい。もう2〜3点取れたとは思うが、新しい選手なので、もう少し経験と自信が必要だろうが、こういった選手も評価していいと思う。マイクとは違ったソリューションのひとつだ。

彼らに責任をもってやってほしい

──初めてのツートップの手応えは? それから1点目と2点目は縦方向で狙ったゴールだったが、目指していたものだったのか?

 初めて使ったオーガナイズだが、すべてがパーフェクだったわけではなく、慌てた状況もあった。われわれの右サイドを彼らはしっかり封じていたため、われわれは左サイトに可能性を求めた。(長友)佑都と(柏木)陽介のところは、少し判断が悪いところもあった。ボールが理想的な状態で送られたわけではない。私としては、グラウンダーのセンタリングを入れてくれと要求した。なぜならFWが止まった状態でプレーしていて、フリーな選手を探すのが難しかった。GKとDFの間のゾーンにボールを送るべきだった。そこで慌てた状況になった。1回のトレーニングで新しいオーガナイズを試したわけだが、2試合目はまた良くなるだろうし、数カ月くらいは必要かもしれない。私はときどき、こうしたリスクを冒すことをするが、それでも時間をかける必要がある。

 1点目は難しかったと思うが、アフガニスタンの選手も少し疲れていたし、われわれのプレーのスキルはどんどん上がっていった。ただ、この勝利は自動的に得たものではなく、われわれが追求して得られたものだ。5−0で勝ったが、もっとスピードを上げて、もっと点を取ることを求め続けていた。

──監督は選手の声を聞きたいと言っているが、今日は前半に選手が円陣を組んでディスカッションしていた。これは、自分たちで考えようとしているととらえているのか?

 選手同士で話す権利が彼らにはあるし、私は毎回指示をするのではなく、彼らに責任をもってやってほしいと思っている。私はすべてを説明することはできない。この2日間、私はおそらく50回のミーティングを行った。スタッフのミーティング、個人のミーティング、全体のミーティングを合わせて、アフガニスタン戦のためだけに、それだけのミーティングを行った。グラウンドにいられる時間は少ないので、それだけのスピーチを重ねた。そうした中で、チームのスピリットは評価したい。

 最後の5分でも彼らは前からプレスをかけ、彼らはわれわれの16メートルには入ってこれなかった。こういったチームスピリットを見せることで、さらに向上できるのではないか。選手にもチョイスを説明するし、彼らも私に説明を求めてくる。すべてのアクションを(私が)デザインすることはできない。相手の形を見て、「これがいいかな」と思うものだけを提案している。ダイヤゴナル(斜めに走る動き)がいいのか、逆サイドで仕留めるのがいいのかとか、そして最後の16メートルで人数をかけるということは話している。彼らはもっともっとできると思う。

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