運営責任者が語る15年ラグビーW杯 19年日本開催への夢と課題は?
ニュージーランドの連覇に終わったイングランド大会では、どのような成果と課題が見つかったのだろうか? 【写真:FAR EAST PRESS/アフロ】
大きな成果を残したイングランド大会
前半はギルピン氏のプレゼンが行われた 【スポーツナビ】
世界のラグビーを統括するワールドラグビー(WR)は、その前身である国際ラグビー評議会が1886年に発足、その後1987年に第1回W杯が開催され、ラグビーという競技とともに発展した。WRはW杯以外にもユースや7人制、女子も大会を運営している。2009年から16年までの間に3億3000万ポンド(約530億円)の投資を行うことができたのも、W杯の成功があったからといえる。
WRにとって大会の成功とは何を意味するのか? この問いについてギルピン氏は「参加チーム同士が切磋琢磨(せっさたくま)し、非常に拮抗(きっこう)した試合が見られること」と述べた。15年大会でいえば、日本や米国、フィジーの躍進がその象徴であり、WRが行ったコーチング強化、競技力向上プログラムの成果ともいえる。
スタジアム以外でも楽しめる開催都市に
「街に設置されるファンゾーンが重要な役割を果たす」とギルピン氏は考えを明かした。満員、チケット完売が見込まれる試合では、試合のパブリックビューイング会場として、多くの人々の“ラグビー経験”を創出するほか、開催前から「街に大会がやってくる」というブランディングにもつながる。
試合開催日のファンの導線も重要な役割になってくる。世界中からやってくるラグビーファンは高揚した気分で、チケットを握りしめてスタジアムへとあゆみを進める。15年大会の開催都市のひとつ、ニューカッスルではその街の象徴であるタインブリッジを1年間かけて装飾した。その結果、多くのラグビーファンにその街のアピールに成功した。
講演の締めくくりとして、嶋津昭事務総長をはじめとする19年大会組織委員会の職員の顔写真がスクリーンに上映され、ギルピン氏は、「15年大会の日本代表の躍進によって、19年大会の成功の要因が増えた」と触れ、19年大会の成功へ期待を寄せた。