運営責任者が語る15年ラグビーW杯 19年日本開催への夢と課題は?

スポーツナビ
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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

15年の反省を日本開催で改善へ

後半は村上さんの進行のもと、質疑応答が行われ時折ジョークも交えながら行われた 【スポーツナビ】

 講演に続いて、ラグビージャーナリスト村上晃一さんと会場からの質疑応答が行われた。

――イングランド大会でうまくいかなかったことは?

 イングランド代表の成績です(笑)。大会には人によっていろいろな側面、見方があると思います。まさに今それらを19年大会の組織委員会と共有しています。15年大会の組織委員会の方々にも一緒に日本に来てもらい、うまくいかなかったところとその改善案について共有しています。

――15年大会でホスト国が負けた影響は?

 昨年の大会は初めてホスト国が決勝トーナメントに進めませんでした。準備を行う上では、イングランドが負けることも含めて、さまざまなことが起きる、ということを頭に入れていました。幸い、イングランドのファンは興味を失うのではなく、ほかのチームへの応援にシフトして、興味を持ち続けてくれました。

――イングランド大会のセキュリティーはどうでしたか?

 大会期間中、かなりの時間と労力をかけてセキュリティーに関する準備をしました。大事なのは、相手に対してこの大会がすきを見せないことでした。ただ、大会終了後わずか2週間後にパリでテロが起きました。そう考えると、W杯の間に何も起きなかったのは、幸運であったと認識することも重要です。

――五輪、パラリンピックではレガシー(遺産)という話題になりますが、W杯はどうでしょう?

 19年開催は、日本ラグビー協会が主体となって計画しています。15年大会では組織委員会に取り組んでいただきました。すでに成果が出ているものもあります。ラグビーに関わる人、選手だけではなく審判やボランティアも含めて増加しています。

――日本のスタジアムの周りにはパブが少なく、ビール好きのファンが満足するか心配です。

 日本はパブ、居酒屋などビールを飲めるところがあります。開催都市でファンが歩く道のりなど、周囲の雰囲気は非常に大事です。歓迎ムードがそこにあって、ファンの方たちが歩きながら、スタジアムに向かいながら楽しめる環境というのは、日本らしいものが作れると思っています。

 おそらく世界のスポーツファンでラグビーファンが一番のビール好きです。15年大会は多くのサッカー専用競技場を使用しました。過去の経緯から、サッカーではスタジアムでビールが飲めない、というルールを作っているところがあります。ただ、ラグビーファンはビールを片手に、相手国のファンがいるのに何のトラブルもなくビールを楽しみながら試合を見ていた。これはサッカーファンにとって大変な驚きでした。ただ、それによる問題はないと感じています。

あなたにとってラグビーとは?

 大きなテーマです。ラグビーは(規律やリスペクトといった)バリューを持っています。そういったものによって選手だけでなくファンも集めることができる、そのようなスポーツだと思います。私も若い頃にプレーしていました。そんな魅力があるからこそ、今もラグビーに関わり続けて、その中でたくさんの大事な友人ができ、いろいろな恩恵を受けています。本当にすばらしいスポーツです。

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