中邑が新日ラストマッチで「イヤァオ!」 棚橋がオメガとIC王座決定戦で激突
新日本の人気けん引の中邑がラストマッチ
新日本ラストマッチとなった中邑。支えられてきたCHAOSのメンバー達と 【横田修平】
中邑は青山学院大学レスリング部を卒業後、02年に新日本に入団。同年8月に日本武道館でデビュー後、総合格闘技へ挑戦する異端の道を歩みつつ、翌年12月にはデビューから1年4カ月、23歳8カ月という史上最短、最年少でIWGPヘビー級王座を戴冠。近年では独特のムーブや、IWGPインターコンチネンタル王座をめぐる戦いで、新日本の人気をけん引してきた。
オカダも涙「一番すげぇのはプロレスなんだよ!」
新日本を一緒に支えてきた棚橋との激闘 【横田修平】
5分ごろにようやく試合権利を得た中邑は、棚橋を相手におなじみの脱力ブレーク。これを柴田が真似して見せると、中邑はお返しのヴァイブレーション。CHAOS3人がかりの合体攻撃も成功させ、絆の深さを見せ付ける。10分過ぎには、棚橋とこれまでの激闘の歴史を振り返るかのような激しいエルボー合戦を展開。棚橋のフライングフォアアーム、ドラゴンスクリューに中邑もトップロープに据えてのヒザ蹴り、リバースパワースラム。棚橋のハイフライフローはヒザ剣山でブロックする。20分を超え、混戦となる中、オカダが柴田にドロップキックを突き刺すと、中邑も必殺技のボマイェを炸裂。中邑に喝を入れられた石井が、垂直落下式ブレーンバスターでフィニッシュを決めた。
試合後、四方に向かって一礼した中邑は「ここで生まれ、育ち、培ってきた中邑真輔を、まだ見ぬ世界にぶつけていきます。レスラーとして生きていく限り、物語は続いていく。だから、さよならは言いません。ありがとう」とファンに感謝すると、全員で「イヤァオ!」の大合唱。中邑Tシャツを着たCHAOSメンバーと共に一緒にポーズを決め、号泣するオカダらの姿に感極まりながらも、「一番すげぇのはプロレスなんだよ!」と、絶叫すると、オカダに肩車され、ファンにもみくちゃにされながらリングを去った。
後を任せられるから自分が潔く行ける
「『後は任せた』って言える選手がこんなにも多いので、自分は潔く『行ってきます』と言えます」 【横田修平】
「いろんなきっかけや出会いがすべてが必然としてこういう決断に至ったので、後悔はない。自分がいなくても心配ないというか、どういう戦いを見せるのか、このリングの外から見たい」と、異国の地から眺める新日本マットの行く末に思いを馳せつつ、「『後は任せた』って言える選手がこんなにも多いので、自分は潔く『行ってきます』と言えます。本当に今までありがとうございました」と、別れを告げた。