ハーフナーがオランダ全国紙に語った本音 代表復帰とW杯ロシア大会への思い
「今季一番のサッカーができた」
2−2で引き分けたものの、ハーフナーは古巣フィテッセとの試合を「今季一番のサッカーができた」と振り返った 【Getty Images】
この日は立ち上がりからフィテッセが試合のイニシアチブを握り、グラウンダーのパスでADOデンハーグの守備網を揺さぶり続けた。ハーフナー・マイクもフィテッセのセンターバックコンビへのプレスをかけられずに苦労し、とりわけマイケル・ファン・デン・ウェルフのドリブルには手こずっていた。前半は2−1でフィテッセがリードして終えた。
後半立ち上がりの6分、試合の流れを変えるゴールが決まった。ADOデンハーグの守備的MFティモシー・デライクがPKを決めて、2−2に追いついたのである。その1分前、相手チームのDFケビン・レールダムのホールディングによってPKを奪ったのはハーフナーだった。
試合後のハーフナーによれば、実はこのPKは自らもらいにいったものだった。今季のハーフナーはここまで8得点とゴールを量産しており、とりわけクロスへの競り合いで制空権を握っている。そのため、ペナルティーエリア内でマーカーにホールディングされるケースが多いが、これまではなかなかレフェリーがPKをとってくれなかった。そのことの不満は、試合後のオランダテレビ局向けインタビューで何度かハーフナーもこぼしていた。ようやく13節目にしてPKを奪い、ハーフナーはこう語った。
「あれはもう、自分から狙いました。で、(相手を)倒しましたね。そろそろ(PKを)とってくれるだろうなと思っていました。テレビのインタビューでもそういう話をしていて、たぶん審判の間でも『マイクがよくつかまれているから』という感じで言われていたと思う。だからそれを逆に利用した感じです」
しかしながらPKキッカーはハーフナーではなかった。ヘンク・フレーザー監督が指名したのはハーフナーだったものの、デライクがボールを持つ姿にハーフナーも「これ、ちょっとボールを取ったら“あれ”かなと思って、やめておいた」と遠慮してしまった。しかし、「得点ランキングも首位の方(4位タイ)なんで普通、自動的に蹴らせろよ」とハーフナーは得点王への思いを口にしていた。
2−2と追いついてからのADOデンハーグは、左右からのクロスをゴール前に何度か送り、ハーフナーが空中で競り合ったかと思えば、時にはおとりになってチームメートが裏からゴール前に入ってきたりと迫力ある攻撃を披露。2年半過ごした古巣相手に、ハーフナーは「今季一番のサッカーができた」と胸を張った。
オランダで高まるハーフナーへの注目度
「最後のチャンス」と、ハーフナー(左)は代表復帰、W杯ロシア大会への思いを語る 【Getty Images】
フィテッセ戦後、ADOデンハーグの広報、ロナルドは「マイクのインタビューが全国紙『アルへメーン・ダッハブラット』に載ったんだぜ」と言って、すぐに記事をメールしてくれた。試合前日の21日に載ったという、このハーフナーのインタビュー記事には彼の本音がいっぱい詰まっていた。普段、日本代表のことを問われても「(代表に呼ばれなかったことについて)特に何も感じてないです。(レターが来ても)それだけです。レターというのは、最初の候補の50人に送られるようなものじゃないですか。ただ単に招集する可能性がありますよというレターなだけで、いつもと変わらないです」と素っ気ない男は、『アルへメーン・ダッハブラット』紙にはこうぶちまけていた。
「(11月のインターナショナル・マッチウィークで日本代表に選ばれず)とてもガッカリしている。日本に住む友人も、僕が代表に選ばれると思っていた。僕はロシアのワールドカップ(W杯)に参加したいと思っている。これが僕にとって最後のチャンス。ブラジル大会までの3年間、僕は日本代表にいたけれど、最後の数カ月で外れてしまった。アルベルト・ザッケローニ監督(当時)の説明では、代表チームはグラウンダーのパスサッカーをしたいということだった。でも何が実際に起こったか。グループリーグでの3試合すべてで、最後の時間帯はロングボールを蹴っていた」
この記事の中で、ハーフナーは虎視眈々(たんたん)と得点王を狙っているとことも明かしている。このタイトルさえ奪うことができれば、誰もが納得の日本代表復帰となるはずだ。
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