小久保監督「何が何でも世界一を獲る」 韓国はキム・グァンヒョンの先発明言

永塚和志

韓国は「強打の印象」と警戒

プレミア12の開幕戦で激突する、数々の激戦を繰り広げてきた日本と韓国。前日会見では健闘を誓って握手する小久保監督とキム監督 【永塚和志】

 第1回を迎えるプレミア12の開幕を翌日に控えた7日、札幌市内のホテルで監督会議が開かれた。直後には札幌ドームでの初戦の対戦カード、侍ジャパンの小久保裕紀、韓国のキム・インシクの両監督が会見を行った。

 監督会議にはWBSCのリカルド・フラッカリ会長をはじめ、同連盟の技術委員や審判長らも出席し、ルールの確認などを行った。

 開幕戦の先発について、小久保監督は当初から明言していた通り大谷翔平(北海道日本ハム)が、キム監督は過去に日本チームを苦しめてきたキム・グァンヒョンが先陣を切ると話した。

 五輪やWBCなどの国際大会でこれまで幾度も激闘を繰り広げてきた両国だが、小久保監督は「ホームランバッターが多く強打の印象」、キム監督は「日本は野球がうまい」とまずは相手を持ち上げ、会見は嵐の前の静けさといった感じになった。

中村剛のケガで打線は流動的

 以下は会見の一問一答。

――いよいよ明日開幕ということになるが現在の心境は?

小久保監督 いよいよだなという心境で、監督会議でルールの確認、本番に向けての話し合いをしました。いよいよということで気持ちは引き締まっています。

キム監督 世界で今日最も強い12チームが集まりましたが、その中でもこの2チームは最も強いチームだと思います。あいにく初戦での対戦となりましたが、最善を尽くします。

――監督会議ではルールの確認などがあったと思うが、差し障りのない範囲でどういう提案があったか?

小久保監督 提案というよりも、一番大きなところでキャッチャーのブロック、走者の体当たり、それを厳しく禁止するというところが出ました。あとは12秒ルールですね。日本は15秒だと思いますが、ピッチャーは12秒以内に投げないといけないというところのルールの確認。あとは延長になったときのタイブレークの確認がありました。

キム監督 最近のルールの変更が今回のプレミア12でも反映されると思います。最近メジャーリーグで主流になっているルールが適用されると思います。

――ここまで両チーム強化試合を2試合行ってきましたが、現在のチームの状況をどう考えているか?

小久保監督 日本の強みである投手力という点で2試合プエルトリコ相手に、各自しっかり調整してきてくれたおかげでいい状態に仕上がっているなと思いましたし、打線の中では中村(剛也・埼玉西武)のケガがありましたが、それで少し(組み方は)流動的になるかなと。1人1人の状態は上がってきているので、打線についてはいかにつながるかというのをテーマに打順を決めたいなと思います

キム監督 日韓ともに国内のシーズンが終わってからあまり時間がなかったので、十分な練習時間を確保出来なかったかと思います。また全体が集まっての練習時間も同じように少なかったかと思いますが、その中でも監督は、(韓国が)キューバ戦2試合、(日本が)プエルトリコ戦2試合の中で普段の実力を出したと思います。また、その2試合の強化試合が最終的には意味のあるものだったと思います。いくら練習時間が足りないといっても、普段の実力を出してお互いの息を合わせられるようにしたいと思います。

キム監督「日本は野球がうまい」

――小久保監督は日本の先発は大谷投手だと明言しているがそれには変わりはないか。一方の韓国はいろんな名前が憶測として出ているが誰が先発するのか?

小久保監督 大谷翔平です。

キム監督 キム・グァンヒョンです。

――ここまで日韓戦、ここ10年では日本が5勝、韓国は6勝と非常に拮抗している。お互いのチームのことをどう意識しているか、それから今のチームをどう分析しているか?

小久保監督 明日先発が予定どおりというかキム・グァンヒョンは映像見る限り素晴らしいストレートとスライダーを持っています。どこのリーグへいっても通用する選手だと思っていましたので非常に手強いと思います。打線に関して言えばホームランバッターが多い印象で、4番候補のパク(・ビョンホ)選手とか、あとは日本国内で日本の投手を相手に打っている李大浩(福岡ソフトバンク)がいます。彼らが中心に強打のチームだという印象です。

キム監督 多くの試合を戦う中でわかっているのは、日本は野球がうまいということ。そこは否定できません。特に投手のボールが非常に精緻です。大谷投手、そしてその他の投手も活躍していますし、好敵手だと思っています。李大浩選手の橋渡しのおかげでパ・リーグの中継はされますからよくテレビで見ていますが、セ・リーグの中継はほとんどないので、セ・リーグの投手についてはあまり情報がないという感じです。

――最後に、開幕戦そして今大会へ向けての意気込みをお願いします。

小久保監督 今回初めて世界野球プレミア12という大会がスタートするわけですけども、日本で開幕し、また準決勝、決勝が日本である大会なので、この大会自体がいい形で育っていくためには日本が勝つということが必要不可欠だと思ってますので、明日、いいスタートを切って何が何でも世界一を獲れるようにしたいと思います。

キム監督 この大会は初めての大会なのでいろいろと気がかりなことが多いのは事実です。また、現在の韓国チームの出来が完全に仕上がっているといは言えないので少し残念です。多くの選手がケガで出場できませんでした。また国外で活躍している選手たちも一緒に来られなかった選手もいます。日本で活躍するオ・スンファンもそうです。しかし最善を尽くして有終の美を飾りたいと思います。
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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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