二冠ミッキークイーン大外枠も勝因の1つ 牝馬の時代後継へ、浜中「特別な馬」

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レースレコードで二冠

ミッキークイーンが力強く馬群を突き抜け秋華賞V、オークスに続く二冠達成 【スポーツナビ】

 JRA3歳牝馬三冠の最終戦、第20回GI秋華賞が18日、京都競馬場2000メートル芝で開催され、浜中俊騎乗の1番人気ミッキークイーン(牝3=栗東・池江厩舎、父ディープインパクト)が優勝。中団から力強く突き抜け、春のオークスに続く二冠を達成した。良馬場の勝ちタイム1分56秒9は、昨年のショウナンパンドラを0秒1更新する秋華賞レコード。

 今回の勝利でミッキークイーンはJRA通算7戦4勝、重賞はGIオークスに続く2勝目。騎乗した浜中は昨年に続く秋華賞連覇、同馬を管理する池江泰寿調教師は同レース初勝利となった。

 なお、クビ差の2着にはミルコ・デムーロ騎乗の5番人気クイーンズリング(牝3=栗東・吉村厩舎)、さらに1馬身1/4差の3着には幸英明騎乗の8番人気マキシマムドパリ(牝3=栗東・松元厩舎)が入線。クリストフ・ルメール騎乗の2番人気タッチングスピーチ(牝3=栗東・石坂厩舎)は6着、岩田康誠が騎乗した3番人気の桜花賞馬レッツゴードンキ(牝3=栗東・梅田厩舎)は17着に敗れた。

過去19回、大外枠から秋華賞を勝った馬はゼロ

ミッキークイーン騎乗の浜中(奥)はゴール後に笑顔、2着クイーンズリングのM・デムーロと馬上で握手を交わした 【スポーツナビ】

 単勝3.0倍での勝利。能力では一枚抜けていると言われていたミッキークイーンだったがフタを開けてみれば、1番人気ではあるけれど、いまいち単勝人気は上がってこなかったように思う。

 相手関係を見渡すと、トライアルのローズSでそのミッキークイーンを相手に快勝したルメールが駆るタッチングスピーチの勢いには目を見張るものがあったし、内回り平坦コースに替わっての桜花賞馬レッツゴードンキの反撃も怖い。確かにそういったライバル馬の存在はあったにせよ、オッズ上でミッキークイーンの“1強”とはならなかった要因は、やはり大外18番枠スタートが大きな足かせに映ったからだろう。

 京都2000メートル内回りは、ただでさえトリッキーで外枠が乗り難しい上に、ミッキークイーン自身にもゲート出遅れ癖という不安もある。ほんのちょっとでもスタートで失敗して後手を踏んでしまえば、途端に勝利への道が遠のいてしまう。専門紙・スポーツ紙でミッキークイーンに◎が並ばなかったのも、ファンが積極的に単勝を支持しなかったのも、大外18番枠の不利がチラついていたからだろう。ちなみに、過去19回の秋華賞の歴史の中で、大外枠の馬が勝ったことはない。

乗っていてこれだけ安心できる馬はいない

右から2番目の女性がオーナーの野田みづきさん 【スポーツナビ】

 しかし、ミッキークイーンは鮮やかに勝利した。懸念されていた出遅れもなく、位置取りもちょうど中団。ジョッキー、調教師ともに「理想的」と口をそろえるほど、完ぺきなレース前半の入りだった。勝負の大きな分岐点の1つだったこのゲートの場面、浜中がこう振り返っていた。

「大外だったことで最後の枠入れになった分、ゲートの中で待たされることがなかった。それでミッキークイーンなりにゲートを出てくれたんだと思いますね。大外枠というと、普通は厳しいという印象があると思いますが、この馬にとっては入ってすぐにゲートが開くというメリットがあったと思います」

 ゲートさえ普通に出てしまえばこっちのもの。「中団より前じゃないと勝てない。前へ行ってほしい」という池江調教師のオーダーもあり、スタート直後から積極的にポジションを取りに行った浜中。そして、この自分の欲しい位置をジョッキーの意のままに取れるという点も、ミッキークイーンの長所にして最大の強みでもあると浜中は言う。

「本当に精神的なものが何より素晴らしい馬。きょうはデビューから初めてと言っていいくらいスタートから出していったんですが、全く引っ掛からない。今までもたくさんいい馬に乗せていただいていますが、乗っていてこれだけ安心できる馬はこれまでにいないくらいですね」

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