二冠ミッキークイーン大外枠も勝因の1つ 牝馬の時代後継へ、浜中「特別な馬」

スポーツナビ

ミッキークイーンにも自分にも100点をあげたい

愛馬を絶賛する浜中(右)だが、その好騎乗ぶりも見逃せないところだ(左はゲストプレゼンターのラブリさん) 【スポーツナビ】

 そういうわけだから、秋華賞史上最速となった1000メートルの通過タイム57秒4という異常なペースにも馬自身に戸惑いはなく、折り合いは完ぺき。3コーナーから4コーナー、直線入り口にかけての勝負どころも「内回りの難しいコースで外を回したのではロスがあるし、外、外へ振られてしまう。馬群を割っていける根性がこの馬にはあると信じていた」と、馬群のど真ん中に突っ込んでいった。

「馬群を割るまでは馬にすごくストレスがかかっていたと思いますし、これまで経験したことがないくらいタイトな位置だったので、戸惑いやツライ部分もあったと思います。それでも、馬群を割ってからはもう一段ギアが入った。厳しい競馬をさせてしまったので、ミッキークイーンには悪いことをしたなと思いますが、その分、大きな勲章も取れました。頑張ってくれてありがとう、という気持ちです」

 最後は必死すぎてフォームがバラバラになってしまった、と自身の騎乗に関しては苦笑いの浜中。それでも「ポテンシャルがなければあの競馬はできない」と、最高のパートナーに再び称賛の言葉をかける。だからこそ「このレースはミッキークイーンにも自分にも100点をあげたい」と大きな笑顔を見せた。

記録尽くめの秋華賞にふさわしい女王

次走は未定ながら、牝馬の時代を継承するような走りを牡馬相手にも見せてほしい 【スポーツナビ】

 これで春、秋の2度、チャンピオンとなり、3歳最強牝馬の座を確固たるものとしたミッキークイーン。池江調教師によれば次走は「馬の様子を見てから」とのことだが、エリザベス女王杯、ジャパンカップ、有馬記念といった、年上の古馬牝馬、さらには牡馬との戦いに突き進むことになるだろう。今後への展望を問われると浜中は、キッと口元を引き締めつつ、期待を込めて語った。

「これからもっとGIタイトルを増やしていきたいと思っている馬。古馬牝馬、男馬といっしょに走ることになると思うので、今後は厳しいレースになると思いますが、彼女とならもっと頑張っていけると思います。自分にとっても特別な馬。それだけのポテンシャルを持っている。牡馬相手でも期待しています」

 節目の第20回目、秋華賞史上最速ペース、レースレコード、同レース史上初の大外枠からの勝利、さらにはこの勝利がディープインパクト産駒JRA重賞通算100勝目など、終わってみれば記録尽くめとなった今年の3歳牝馬最後の一冠。ミッキークイーンは、そんな記録に残る秋華賞にふさわしい女王と言えるだろう。“牝馬の時代”の正統後継者へ、古馬牝馬・牡馬との戦いが今から楽しみでならない。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント