ジャパンOPで見えた競泳代表の現在地 世界選手権に向けたそれぞれの収穫と課題

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平井監督「調子の良い人も悪い人もいた」

ジャパンオープンを総括した日本代表の平井伯昌監督 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 競泳のジャパンオープンが22日から3日間にわたって東京・辰巳国際水泳場で行われ、7月にロシア・カザンで開幕する世界選手権の代表に選ばれた選手たちが「JAPAN」チームとして数多くのレースに出場した。

 18日にオーストラリア遠征から帰国したばかりというタフなスケジュールに、選手たちからは「体が重い」「疲れが溜まっている」という声が多く聞かれた。それでも、選手によっては世界選手権を戦う種目に加え、トレーニングの一環として普段とは異なる種目にもエントリー。課題と収穫を見つけながら、精力的にレースをこなしていった。

 全日程終了後、日本代表の平井伯昌監督は具体的な選手名を挙げながら、今大会を総括した。

「調子の良い人も悪い人もいました。疲れている中でも日本記録を出して頑張った中村克(早稲田大)はよかったし、瀬戸大也(JSS毛呂山)や渡部香生子(JSS立石)も安定している印象を受けました。萩野公介(東洋大)や小関也朱篤(ミキハウス)あたりがよくなかったですけれど、まだまだ取り返せる時期だと思います」

 代表選手たちが厳しい日程で大会に臨んだのは同じだが、ここまでの調整状況には大きな差が出た。

瀬戸の粘りを生んだ練習法

瀬戸大也は疲れの残る中、3冠の成果を残した 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 瀬戸は初日の200メートルバタフライに続いて、2日目の400メートルと3日目の200メートルの個人メドレーでも優勝し、3冠を獲得。大会最終日の24日が誕生日だった瀬戸は、照れながら「21歳は良いスタートが切れた」と笑顔を見せて喜んだ。

 その戦いぶりには、指導する梅原孝之コーチも目を細める。「どんなに疲れた状態でも、ある程度のタイムを出せるような力がついてきた。最後まで粘れている」と、大会の成果を語った。

 粘りを生んだのは、以前から行っているタイムを設定する練習法だ。目標を定め、それをクリアできるよう泳ぐ。昨年度までは、本人の感覚が悪いとすぐに仕方がないと諦めていた。現在では自主的にこの練習に取り組むようになり、自らを追い込んで目標タイムを必ずクリアするという意識を強く持つようになった。結果として、設定タイムで泳ぐ回数は昨年よりも増えており、疲れている状況でも安定した記録を残せるような力を身につけている。

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