中村克が日本新記録で100自V 豪州遠征で学んだ前半から仕掛ける意識

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まさかの記録更新に本人もびっくり

日本新記録を樹立し、喜びを爆発させる中村克 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 記録を確認した瞬間、大きくガッツポーズし、左手を水面をたたきつけて喜びを爆発させた。

 競泳のジャパンオープンは23日、東京・辰巳国際水泳場で第2日が行われ、男子100メートル自由形に出場した中村克(早稲田大)が、48秒41の日本新記録で初優勝。大学の先輩でもある藤井拓郎(コナミスポーツクラブ)が2009年に打ち立てた48秒49を6年ぶりに更新した。

 中村ら7月にロシア・カザンで開幕する世界選手権の代表に選ばれた選手たちは、18日にオーストラリア遠征から帰国したばかり。多くの選手がコンディション調整に苦しむ中、まさかの記録更新に、本人も驚きを隠すことができなかった。

「はじめての日本記録なので素直にうれしいです。狙うとは言っていたけれど、まさか出るとは思っていなかったので自分でもびっくりしています」

前半を抑えてしまう悪い癖

 中村が、日本新を意識するようになったのは昨年8月にオーストラリア・ゴールドコーストで行われたパンパシフィック選手権から。この大会で、初めて100メートルを48秒台(48秒96)で泳げたことで、「(日本記録まで)残り約0.4秒だと思えるようになった」という。

 そこから得意とする終盤の伸び、追い上げで勝負するスタイルに磨きをかけながらタイムを伸ばしてきた。4月に行われた日本選手権の男子100メートル自由形でも、同じく日本代表入りを果たした塩浦慎理(イトマン東進)に前半から大きく離されながら、ラスト15メートルで追い抜き、48秒78で初制覇を果たしている。日本選手権が終わってからの約1カ月間も、レース後半に追い上げる力を強化するトレーニングを重点的に行ってきた。

 一方で、後半に勝負したいと思うがゆえに、レース展開については課題を抱えていた。前半の25メートルを過ぎてから、50メートルのターンまでに余力を残してしまうのだ。その結果、前半で出遅れてしまい、終盤で追い上げても届かずに終わってしまうこともしばしばだった。

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