戦い続けることを選んだ北島康介の覚悟 リオ五輪へ向けジャパンOPで再スタート

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踏み出した新たな一歩

100メートル平泳ぎ決勝、予選を8位で突破した北島は5位に終わった 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 北島康介(アクエリアス)が、リオ五輪に向けて新たな一歩を踏み出した。

 22日に東京・辰巳国際水泳場で開幕した競泳のジャパンオープン、100メートル平泳ぎに出場した北島は予選を通過ギリギリの8位で突破した。「残っちゃったよ!」と本人が驚きながら迎えた決勝は、予選よりタイムを0秒43上げたものの、1分1秒28の記録で5位。不本意に思われるこの結果に、それでも北島は息をはずませ笑顔を見せながら、一定の満足感を示した。

「ひとつのレースで出し切ることを考えたら、まあ満足かなと思います。記録に対しては満足していないし、自分の泳ぎに対しても満足はしていないけれど、ここまでの過程を考えて、気持ちとかトータルで考えればいいのかなと思います」

日本選手権後の揺れる思い

 2012年のロンドン五輪以降、満足のいく結果を残すことができていなかった北島は、並々ならぬ決意をもって今年4月に行われた競泳日本選手権で100メートル平泳ぎに出場した。7月にロシア・カザンで開幕する世界選手権の代表選考会を兼ねていたこの大会のために、例年より3カ月も早い昨年10月から始動。2月には高地合宿を行うなど万全の準備を整えた。しかし、決勝で今季自己ベストの1分0秒18こそ記録したものの、結果は3位に終わり、代表復帰とはならなかった。

 この結果を受け、北島の胸中には2つの思いが去来する。1つは、国内最高峰の選手たちと戦い、またチャレンジできたことに対する喜び。厳しいトレーニングにより、進む感覚を取り戻し、まだまだやれるという手応えを感じた。もう1つは、世界トップクラスの選手たちと再び戦えるのかという戸惑い。泳ぎの感覚を取り戻したとはいえ、自身が12年に記録した日本記録(58秒90)とは大きな隔たりがある。世界と戦うためには、ここからさらに自分を追い込む必要がある。

 現役続行か引退か――。2つの思いを抱えた北島はこの時、すぐには進退を明言せず、「じっくり考えたい」と話すにとどまった。

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