戦い続けることを選んだ北島康介の覚悟 リオ五輪へ向けジャパンOPで再スタート
踏み出した新たな一歩
22日に東京・辰巳国際水泳場で開幕した競泳のジャパンオープン、100メートル平泳ぎに出場した北島は予選を通過ギリギリの8位で突破した。「残っちゃったよ!」と本人が驚きながら迎えた決勝は、予選よりタイムを0秒43上げたものの、1分1秒28の記録で5位。不本意に思われるこの結果に、それでも北島は息をはずませ笑顔を見せながら、一定の満足感を示した。
「ひとつのレースで出し切ることを考えたら、まあ満足かなと思います。記録に対しては満足していないし、自分の泳ぎに対しても満足はしていないけれど、ここまでの過程を考えて、気持ちとかトータルで考えればいいのかなと思います」
日本選手権後の揺れる思い
この結果を受け、北島の胸中には2つの思いが去来する。1つは、国内最高峰の選手たちと戦い、またチャレンジできたことに対する喜び。厳しいトレーニングにより、進む感覚を取り戻し、まだまだやれるという手応えを感じた。もう1つは、世界トップクラスの選手たちと再び戦えるのかという戸惑い。泳ぎの感覚を取り戻したとはいえ、自身が12年に記録した日本記録(58秒90)とは大きな隔たりがある。世界と戦うためには、ここからさらに自分を追い込む必要がある。
現役続行か引退か――。2つの思いを抱えた北島はこの時、すぐには進退を明言せず、「じっくり考えたい」と話すにとどまった。